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21Hz

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By 金沢21世紀美術館

きこえる? 21Hz
【毎週木曜日更新】金沢21世紀美術館のポッドキャスト/レーベル【21Hz】。ヒトが聞くことのできる音は20Hzから、そこから一歩先の未来に耳をすませる【21Hz】。21美ならではのサウンドコンテンツを配信していきます。
Currently playing episode

ep15【フォーラム・アール 〜これからを話そう 高橋そよ】

21HzSep 21, 2023

00:00
01:57:06
ep15【フォーラム・アール 〜これからを話そう 高橋そよ】

ep15【フォーラム・アール 〜これからを話そう 高橋そよ】

2022年12月10日に収録されたものを再編してお送りします。

【フォーラム・アール 〜これからを話そう】では様々な分野の専門家をお迎えし、世界にある「今」への新しい視点や考え方を学びます。各回で美術館の専門スタッフが聞き手となり、みなさんとともに「少し先の未来」との向き合い方を考える、のびやかな学びと語らいの場を目指します。科学技術の進歩が社会を変化させ続ける中、また地球環境や社会システムの更新などに対応すべく、私たちはあらゆる分野で協調して対応しなければなりません。各回のトークを通じて、変化を理解し、仕組みや態度を調整/更新していく学びの機会としたいと思います。

高橋そよ × 野中祐美子「生きものをめぐる―琉球弧の生物文化多様性の視点から―」

2022年12月10日(土)シアター21

「コレクション展2 Sea Lane - Connecting to the Islands 航路 - 島々への接続」(2022年11月3日〜2023年3月19日まで開催)では、沖縄と海洋で交流のあった東南アジア・オセアニア地域の作家の表現を通して、この地域特有の島嶼性という観点に着目しています。「島嶼」というのは大小さまざまな島が分布する状態を指します。本展でフォーカスしている地域とその地域出身の作家にとって、歴史、文化、環境、常識といったあらゆることにおいて島嶼性がもたらした影響は大きなものでした。 高橋そよ氏は、20年以上沖縄の島々をフィールドワークの地として、そこで島どうしのつながりや、関係性、文化や伝統の継承、経済活動の成り立ちなどを研究しています。実際に島嶼研究をしている高橋氏にとって、作家が見てきた現実がどのように映るのか、そして作家の表現と研究者の調査研究の両側面から人類がいま直面している現実を理解し、未来に向けて何をどう考え実行していけばいいのか、そのようなことを考える機会にしたいと思います。(野中祐美子)

琉球弧の島々では、山・川があり田んぼで稲作を営むことのできる高島を田の国「タングン島」と呼び、川がなく水の確保に苦労をし、ムギやアワなどの畑作が中心だった低島を、野の国「ヌングン島」と呼び分けてきました。このように琉球弧の島々では、それぞれの自然環境に応じて、固有のことばや文化、生命観、在来知、技術、道具、芸能などを発達させてきました。本レクチャーでは、琉球弧のサンゴ礁を生業の場とする人々の漁撈文化を紹介し、人間と生きもの、自然環境との循環的な関わりについて考えます。(高橋そよ)


高橋そよ(たかはし そよ) 琉球大学人文社会学部 琉球アジア文化学科 准教授。島をフィールドとした人間と自然との関わりに関する研究に憧れて、北海道から琉球大学に入学し、伊良部島の素潜り漁師に弟子入りをする。野生動植物の国際取引をモニタリングする国際NGOのプログラムオフィサーなどの社会と研究をつなげる仕事を経て、2019年より現職。地域の方々と一緒に、漁具や古写真をはじめとするサンゴ礁漁撈文化の記録と継承に取り組んでいる。


野中祐美子(のなか ゆみこ)

金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター/レジストラー。清須市はるひ美術館学芸員を経て2014年12月より現職。戦後ドイツ美術を専門としつつ、近年は沖縄のアーティストの調査を通して沖縄から東南アジア・オセアニア地域のつながりに関心をもつ。主な担当展覧会は「アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」(2023)、「コレクション展2 航路 - 島々への接続」(2022-23)、「村上慧:移住を生活する」(2020-21)、「現在地:未来の地図を描くために」(2019-20)、「泉太郎 突然の子供」(2017-18)など。



▼出演 高橋そよ  野中祐美子

▼ナレーション 梨瑳 IG @yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA



Sep 21, 202301:57:06
ep14【フォーラム・アール 〜これからを話そう 太田光海】

ep14【フォーラム・アール 〜これからを話そう 太田光海】

2022年11月3日に収録されたものを再編してお送りします。

【フォーラム・アール 〜これからを話そう】では様々な分野の専門家をお迎えし、世界にある「今」への新しい視点や考え方を学びます。各回で美術館の専門スタッフが聞き手となり、みなさんとともに「少し先の未来」との向き合い方を考える、のびやかな学びと語らいの場を目指します。科学技術の進歩が社会を変化させ続ける中、また地球環境や社会システムの更新などに対応すべく、私たちはあらゆる分野で協調して対応しなければなりません。各回のトークを通じて、変化を理解し、仕組みや態度を調整/更新していく学びの機会としたいと思います。

太田光海「氾濫する映像の中に、自分だけの水脈を見つける ―感覚民族誌の視点から―」 

2022年11月3日(木・祝) シアター21

太田光海は、映像やテキストを駆使して主に感覚民族誌を実践する人類学者です。耳慣れない感覚民族誌とは、「他者、そして自らがこの世界において、どこに位置するかを感覚を通して考え、個人的あるいは社会的側面から様々な関係を再考し、繋いでいくこと」と太田は言います。本レクチャーは、グローバルパンデミックの影響で数多くの映像が溢れる現代において、感覚民族誌の視座から“映像”を捉えなおし、また“映像”を通して、自らの世界を紡ぎなおすことを目指します。そして、映像を上映/展示する場でもある美術館の役割とそこから生まれる関係を考えてゆきます。

聞き手:髙木遊(金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター)

講師・プロフィール

太田光海(おおた あきみ)

1989年東京都生まれ。映像作家・文化人類学者。マンチェスター大学グラナダ映像人類学センターにて博士号を取得。文化人類学とドキュメンタリー映画を掛け合わせた先端手法を学び、アマゾン熱帯雨林での1年間の調査と滞在撮影を経て、初監督作品となる『カナルタ 螺旋状の夢』を発表。2021年には写真と映像インスタレーションを用いた個展「Wakan / Soul Is Film」(The 5th Floor)を開催し、映画に留まらない領域で表現活動を行う。

▼出演 太田光海 IG @akimiota 髙木遊 IG @yuu_takagi

▼ナレーション 梨瑳 IG @yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA



Sep 14, 202301:22:32
ep13 【ラフ・ガイド】pt03 夏がおわりました! 
Sep 07, 202330:59
ep12 【奈良さんと話してみた】後編

ep12 【奈良さんと話してみた】後編

【〇〇さんと話してみた】21世紀美術館にゆかりのあるゲストをお迎えして美術館スタッフといろいろ話す単純明快プログラム。普段聞けないようなトピックが満載です。初回はアーティストの奈良美智さんと当館学芸員の野中祐美子が話します。


ゲスト・プロフィール 奈良美智 (なら よしとも) 1959年青森県(日本)生まれ、栃木県在住。 愛知県立芸術大学大学院修了後、1988年より渡独、93年にデュッセルドルフ芸術アカデミー修了。以後ケルンを拠点に制作活動を行い、拗ねたような、挑む目をした子供や動物をモチーフとした絵画、ドローイング、立体、インスタレーションが国際的に高い評価を得る。2000年より活動拠点を日本に移す。世界的な美術館やギャラリーでの展覧会を続ける一方、美術という枠に縛られずに、地方の小さなコミュニティーでも作品を発表する。 その作品のイメージは絵本、CDジャケット、プロダクト・デザイン等の様々なメディアに展開する。2003年から2010年には豊嶋秀樹らとの共同制作を行う。近年は陶やブロンズによる立体も手掛けている。

スタッフ・プロフィール 野中祐美子(のなか ゆみこ) 金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター/レジストラー。清須市はるひ美術館学芸員を経て2014年12月より現職。戦後ドイツ美術を専門としつつ、近年は沖縄のアーティストの調査を通して沖縄から東南アジア・オセアニア地域のつながりに関心をもつ。主な担当展覧会は「アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」(2023)、「コレクション展2 航路 - 島々への接続」(2022-23)、「村上慧:移住を生活する」(2020-21)、「現在地:未来の地図を描くために」(2019-20)、「泉太郎 突然の子供」(2017-18)など。


▼出演 奈良美智 IG @michinara3 野中祐美子 ▼ナレーション 梨瑳 IG @yoga_life_trilogy⁠ ▼制作 office BLANCA


Aug 31, 202326:40
ep11 【奈良さんと話してみた】中編

ep11 【奈良さんと話してみた】中編

【〇〇さんと話してみた】21世紀美術館にゆかりのあるゲストをお迎えして美術館スタッフといろいろ話す単純明快プログラム。普段聞けないようなトピックが満載です。初回はアーティストの奈良美智さんと当館学芸員の野中祐美子が話します。


ゲスト・プロフィール 奈良美智 (なら よしとも) 1959年青森県(日本)生まれ、栃木県在住。 愛知県立芸術大学大学院修了後、1988年より渡独、93年にデュッセルドルフ芸術アカデミー修了。以後ケルンを拠点に制作活動を行い、拗ねたような、挑む目をした子供や動物をモチーフとした絵画、ドローイング、立体、インスタレーションが国際的に高い評価を得る。2000年より活動拠点を日本に移す。世界的な美術館やギャラリーでの展覧会を続ける一方、美術という枠に縛られずに、地方の小さなコミュニティーでも作品を発表する。 その作品のイメージは絵本、CDジャケット、プロダクト・デザイン等の様々なメディアに展開する。2003年から2010年には豊嶋秀樹らとの共同制作を行う。近年は陶やブロンズによる立体も手掛けている。

スタッフ・プロフィール 野中祐美子(のなか ゆみこ) 金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター/レジストラー。清須市はるひ美術館学芸員を経て2014年12月より現職。戦後ドイツ美術を専門としつつ、近年は沖縄のアーティストの調査を通して沖縄から東南アジア・オセアニア地域のつながりに関心をもつ。主な担当展覧会は「アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」(2023)、「コレクション展2 航路 - 島々への接続」(2022-23)、「村上慧:移住を生活する」(2020-21)、「現在地:未来の地図を描くために」(2019-20)、「泉太郎 突然の子供」(2017-18)など。


▼出演 奈良美智 IG @michinara3 野中祐美子 ▼ナレーション 梨瑳 IG @yoga_life_trilogy⁠ ▼制作 office BLANCA


Aug 24, 202335:38
ep10【奈良さんと話してみた】前編

ep10【奈良さんと話してみた】前編

【〇〇さんと話してみた】シリーズがはじまります!21世紀美術館にゆかりのあるゲストをお迎えして美術館スタッフといろいろ話す単純明快プログラム。普段聞けないようなトピックが満載です。初回はアーティストの奈良美智さんと当館学芸員の野中祐美子が話します。

ゲスト・プロフィール 奈良美智 (なら よしとも) 1959年青森県(日本)生まれ、栃木県在住。 愛知県立芸術大学大学院修了後、1988年より渡独、93年にデュッセルドルフ芸術アカデミー修了。以後ケルンを拠点に制作活動を行い、拗ねたような、挑む目をした子供や動物をモチーフとした絵画、ドローイング、立体、インスタレーションが国際的に高い評価を得る。2000年より活動拠点を日本に移す。世界的な美術館やギャラリーでの展覧会を続ける一方、美術という枠に縛られずに、地方の小さなコミュニティーでも作品を発表する。 その作品のイメージは絵本、CDジャケット、プロダクト・デザイン等の様々なメディアに展開する。2003年から2010年には豊嶋秀樹らとの共同制作を行う。近年は陶やブロンズによる立体も手掛けている。 スタッフ・プロフィール 野中祐美子(のなか ゆみこ) 金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター/レジストラー。清須市はるひ美術館学芸員を経て2014年12月より現職。戦後ドイツ美術を専門としつつ、近年は沖縄のアーティストの調査を通して沖縄から東南アジア・オセアニア地域のつながりに関心をもつ。主な担当展覧会は「アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄」(2023)、「コレクション展2 航路 - 島々への接続」(2022-23)、「村上慧:移住を生活する」(2020-21)、「現在地:未来の地図を描くために」(2019-20)、「泉太郎 突然の子供」(2017-18)など。


▼出演 奈良美智 IG @michinara3 野中祐美子 ▼ナレーション 梨瑳 IG @yoga_life_trilogy⁠ ▼制作 office BLANCA


Aug 17, 202324:13
ep09 【ラフ・ガイド】pt03 夏がはじまりました!
Aug 10, 202336:06
ep08【Collection Walking】 pt08【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】
Aug 03, 202326:32
ep07【Collection Walking】 pt07【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep07【Collection Walking】 pt07【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【泣き笑いの知性(展示室6)】

顔の形の様々なパターンの組み合わせから生まれる「表情」は大変に複雑であり、私たちはそこに無数のメッセージや意味、感情を読み取ります。この展示室では、数ある表情のなかでも、特に「泣き笑い」の表情に注目します。喜んでいるようにも、悲しんでいるようにも見える「泣き笑い」は、近年、絵文字として世界で最も使用されている表情の一つでもあります。キャラクターや人の表情を鮮やかな色彩でコミカルに描くフェデリコ・エレロ、うねるような筆致で身近な人々を匿名的に描く小西紀行、奇妙に強調された顔相を映像で描き出すトニー・アウスラーといった当館コレクション作品に加え、コンセプチュアル・アーティストの松田将英を招へいし、泣き笑いの絵文字をかたどった大型のバルーン作品を紹介します。受け取る側によって、次々にその意味を変化させる「泣き笑い」的な表情の数々がざわめくこの展示室では、不気味でありながらユーモラスな顔貌の形の変化と、それに対するいくつもの解釈が現れては消えます。無数の表情が相互に連関することで、いつしか「泣き笑い」という取り留めのない顔が、知性を持った象徴的な存在であるかのように感じられるでしょう。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jul 27, 202316:14
ep06【Collection Walking】 pt06【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep06【Collection Walking】 pt06【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【熱と重力(展示室5)】

熱や重力は、物理世界を形成する基本的な力であり、パターンや構造の形成に重要な役割を果たしています。熱は、生物と環境の間で絶えず交換されるエネルギーの一形態であり、重力は宇宙に存在する全ての物体の動きに影響しています。 ここでは、招へい作家の田中里姫のガラス工芸作品と、当館コレクション作品のヴラディーミル・ズビニオヴスキーの《石の精神》を紹介します。田中は、熱切り技法でそれぞれの口径を切り離し、薄いガラスの口元の凹凸を手磨きで仕上げ、繊細なガラスの曲面を生み出します。ズビニオヴスキーは、光学ガラス(透過性と純度が高いガラス)の塊を石の上にぬるりと横たわらせ、荒々しい石と透明なガラスを対比します。両者とも、熱や重力によるたわみを表現し、自然の物理法則から生まれる形を活かしつつそれをさらに昇華させています。周囲の空間を変容させる美しい精神が、当館の特徴的なガラスの展示室に立ち現れるでしょう。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jul 20, 202308:46
ep05【Collection Walking】 pt05【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep05【Collection Walking】 pt05【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【幽霊の形/形の幽霊(展示室4)】

幽霊は、死者のあらわれであると同時に、過去・現在・未来を行き来するような神話的な存在として、あるいは生者と深い関わりを持った精神的な存在として理解されることがあります。この展示室では、当館コレクションから幽霊的な形を表現する作品を紹介します。SFから古典的な神話に至る様々な文化的引用をもとに、未知のものへの恐怖や身体とテクノロジーの関係を表現するイ・ブルの「モンスター」シリーズや、流麗な描線と透明感のある色彩によって、白昼夢のような幻想的な世界にたたずむ人物を描く樫木知子の《タイルの部屋》は幽霊的な存在をモチーフとして扱います。加えて、死の装飾が植物的に増殖する青木克世の白磁の白一色による《予知夢XXXII》や、ヴィクトリアンジャケットを解体した両袖部分に独自の文様を縫い、失われた身体を想起させる沖潤子の作品は、死の世界を揺れ動きながら私たちと関係を結ぶことで、生についての新しい視野をもたらします。また、ガラスの重みによって腐敗したカーネーションの花液が画仙紙ににじみ出ていく様子をとらえた中川幸夫による《聖なる書》には、死にゆく花が発する生命の最後のきらめきとともに、形そのものが幽霊的な存在へと移行していく瞬間を見いだすことができます。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy

▼制作 office BLANCA


Jul 13, 202317:10
ep04【Collection Walking】 pt04【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep04【Collection Walking】 pt04【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【関わり合い(展示室4前):ペドロ・レイエス】まで

ペドロ・レイエスは、芸術活動による対話を通して人類が抱える危機を解決する道を模索するプロジェクト「人々のための国際連合」(pUN)を行っています。

《人々の国際連合 武装解除時計》は、メキシコの銃社会を変えるため、不法所持者から回収された銃を再利用して楽器にし、時計を組み込んだ作品です。世界が銃から開放される未来の瞬間を目指して時を刻みながら、15分ごとにパーカッションのような金属音が鳴り響きます。戦争や紛争により世界情勢がますます不安定なものになっているいま、暴力の形を平和的な精神へと生まれ変わらせるレイエスの作品を通して、私たちは社会とこれからどのように関わり合い、未来を形作るプロセスに参加していくことができるでしょうか。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jul 06, 202308:49
ep03【Collection Walking】 pt03【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep03【Collection Walking】 pt03【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【意味の関係性(展示室3):ジョセフ・コスース、松田将英 (招へい作家)】まで

「形」とは目に見えるものだけでなく、メッセージや情報を伝達するパターンのことでもあります。例えば、会話の中での声のトーンやボディランゲージなど、コミュニケーションにおいて、そのメッセージの形がどのように示されるかは、メッセージの内容と同程度に重要です。ジョセフ・コスースは、視覚芸術にとって不可欠と思われてきた形や色に対する執着を否定し、言葉に基づく作品を制作しています。《北極グマとトラは一緒に戦うことはできない。》は、タイトル通りに文字組がなされたネオン管による作品です。このテキストは、心理学者フロイトの著作からの引用で、ネオンの透明感のある光は、この言葉を浮遊させ、鑑賞者はこの謎めいたメッセージの意味合いを探ることを余儀なくされます。本の中で使われていた本来の意味と、鑑賞者の意識の中で産出される意味との間には、多様な関係性が増殖し続けるでしょう。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jun 29, 202308:41
ep02【Collection Walking】 pt02【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep02【Collection Walking】 pt02【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さん。今回、立石さんが歩くのは、2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

・【惑星的な結びつき(展示室2):川内倫子】まで

川内倫子は、主に写真によって、日常の断片が持つ曖昧さ、生と死の脆さや危うさ、畏れといった生命に潜む独特の雰囲気を表現する作品を生み出しています。ここでは2020-21年の新型コロナウィルスの感染拡大下で、自らの生活の周辺を繊細な感性でとらえた当館収蔵作品に加えて、「Mother Earth (母なる地球)」と「Me(私)」を意味する映像作品《M/E》を展示します。川内の作品は、地球という惑星で起こる雄大な出来事と私たちの身近な風景や様々な現象を行き来し、一見無関係に思える様々なイメージのやわらかな連鎖を生み出していきます。「私」と「地球」が地続きに結びついていくことで、生命の神秘のなかに惑星的な精神が生じてくるような感覚を見るものに与えます。

▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jun 22, 202309:09
ep01【Collection Walking】 pt01【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

ep01【Collection Walking】 pt01【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】

第1回目の【Collection Walking】は2023年11月5日まで開催の【コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき】。本展覧会は、古来より芸術作品を通して探求されてきた「形と精神の関係」を、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといった多様な当館コレクション作品から解き明かします。

コレクション展をゆっくり歩こう。アーティストがあれやこれやの感想を漏らしながらの新感覚オーディオ・ガイド。鑑賞前、鑑賞後でも聞いていただけるプログラムです。2023年はアーティストの立石従寛さんをお迎えしてのスタートです。


・【展覧会タイトル】から【つながり合うパターン():リジア・クラーク】まで

リジア・クラークの「動物」は、1959年頃から制作された世界的に知られるシリーズです。アルミニウムの板を組み合わせて、蝶番によって動くようになっており、鑑賞者は自由に動かして様々な形を生み出すことが出来ます。その有機的な形体や背骨のような蝶番から、「動物」と題されていますが、本作から生まれる様々な形や構造は、自然や生物の原理に由来する無数の有機的なパターンであるとクラークは考えました。また、「動物」は鑑賞者が動かすだけではなく、作品自らが動き出すような「生命」であるとクラークは述べています。作品と鑑賞者とのあいだに築かれる双方向的な関係性によって、参加型で民主的な芸術の創造を目指し、ブラジルで生まれたこの金字塔的作品から、「形」と「精神」の関係をめぐる本展が始まります。

「動物たち」──この時期の作品群に、私はこういう名前をつけた。どの作品も根本的には有機的な性格をもっていたから。それに、板どうしをつないでいる蝶番をみると、私は脊髄を連想するのだ。金属板の配置を変えると「動物」の体勢が変わる。一見すると、体勢は無限にあるようにみえる。「動物」ができる動きはいくつあるかと訊かれると、私はこう答える。「私にはわかりません。あなたにもわかりません。でもそれ(「動物」)は知っている......」。

(リジア・クラーク『動物1960』より)



▼展覧会詳細 https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1811

▼出演 立石従寛 IG ⁠@jukantateisi⁠

▼ナレーション 梨瑳子 IG ⁠@yoga_life_trilogy⁠

▼制作 office BLANCA


Jun 15, 202316:38
ep00 【ラフ・ガイド】pt02 美術館を歩いてみよう
Jun 08, 202322:59
 ep00 【ラフ・ガイド】pt01 美術館を歩いてみよう
Jun 01, 202336:19