
Energy Expertの視点
By 日本エネルギー経済研究所
ナビゲーター:小山 堅(専務理事 首席研究員)
日本エネルギー経済研究所 eneken.ieej.or.jp/

Energy Expertの視点Nov 20, 2023

カーボンリサイクルの社会実装に向けて
カーボンリサイクルはCO2を回収し化学的に転換して別の製品として利用する脱炭素化技術の一つ。しかしこの技術が広く一般に利用されるためには、コストの問題や原料となる水素の調達など、多くの課題が存在しています。今回は、こうしたカーボンリサイクルを実現する上で克服すべき課題やその解決に向けた対応策について,研究戦略ユニットの小林 良和 研究主幹がお話します。

電源の低炭素化による卸電力価格への影響と課題
欧州では原子力発電の新規稼働により電源の低炭素化が進んでいる国もある。また、再生可能エネルギーや水力発電が限界電源となる時間帯が増え、卸電力価格がゼロ円近辺で取引されているケースも見られる。今回は電力ユニット小笠原潤一研究理事が「電源の低炭素化による卸電力価格への影響と課題」をテーマにお話します。

ヒューストンの国際会議に参加して
ヒューストンの国際会議は石油危機50年がテーマだったが、その他にも、米国による石油・天然ガス輸出の見通しや、自動車社会アメリカで電気自動車を普及させることの難しさ、脱炭素を背景にした産業保護主義的な動きの効果、次期大統領選の影響など、多岐にわたって興味深い議論を行った。今回は資源・燃料・エネルギー安全保障ユニットの久谷一朗研究理事が「ヒューストンの国際会議に参加して」をテーマにお話します。

カーボンニュートラルに向けた需要側の役割:家庭部門の課題と対応
カーボンニュートラルの実現に向け、需要側での取り組みは商業化された技術を用い、費用対効果の高い選択肢を有するため重要である。しかし、家庭部門での対応は直接規制を行うのが難しいため、各国で課題に直面しつつも最適解を見出そうと努力している。今回はドイツや英国、そしてフランスでの取り組みを概観した上で、「カーボンニュートラルに向けた需要側の役割:家庭部門の課題と対応」をテーマにお話します。

水素ビジネスへの課題と期待
近年、脱炭素化に向けて水素への期待が高まり、ようやく実ビジネスの形成が間近に迫る。一方、水素への大きすぎる期待が合理的な利用法を見失わせてしまうこともある。“水素ありき”ではなく、本来の水素のあり方を再認識する必要がある。今回は「水素ビジネスへの課題と期待」をテーマにお話します。

カーボンマネジメントにおけるカーボンリサイクル
脱炭素化を進める上で、CCUSや炭素除去(ネガティブエミッション技術)によって、排出されたCO2や大気中のCO2そのものを減らしていくカーボンマネジメントが注目されている。なかでも、CO2を回収し化学的に転換して別の製品として利用するカーボンリサイクルは、CO2を資源とみなす斬新な発想である。今回は「カーボンマネジメントにおけるカーボンリサイクル」をテーマにお話します。

VPPアグリゲーションへの期待と課題
再生可能エネルギー発電の導入が進む中で、先進諸国では火力の廃止が進み、それに代替する調整能力を持つ供給力として分散型電源のアグリゲーションへの期待が高まっている。一方、再エネの増加で系統混雑が増え、分散型電源の活用は仕組みが複雑になり、分散型電源のアグリゲーションの活用が遅れているという側面もある。今回は「VPPアグリゲーションへの期待と課題」をテーマにお話します。

今、再び脚光浴びるエネルギー安全保障
従来は、ともすれば気候変動問題に偏重した議論が多くなされていたが、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、エネルギーを安定かつ合理的な価格で供給するというエネルギー安全保障問題が再び脚光を浴びている。加えて、中国との関係のなかで経済安全保障の議論も熱を帯びてきている。今回は「今、再び脚光浴びるエネルギー安全保障」をテーマにお話します。