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田舎坊主の読み聞かせ法話

田舎坊主の読み聞かせ法話

By 田舎坊主

田舎坊主の読み聞かせ法話です。
まずは、田舎坊主シリーズ第六弾 著書「田舎坊主の合掌」の約50編のエッセイの読み聞かせからです。
合掌「まえがき」からはじめます。
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「食」ー「喰」ー「命」 エッセイ「田舎坊主の合掌」

田舎坊主の読み聞かせ法話Mar 22, 2023

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「食」ー「喰」ー「命」 エッセイ「田舎坊主の合掌」

「食」ー「喰」ー「命」 エッセイ「田舎坊主の合掌」

田舎坊主の合掌「食」ー「喰」ー「命」  私はほとんど毎日一人で食事しています。いわゆる孤食という日々です。  心がけているのは、できるだけ自分で料理をつくることです。朝起きて、何品かのおかずを作り、できるだけジャコとカツオなどで出汁を取りみそ汁を作ります。食べ終われば、全部のおかずの名前を声に出して言い、「ごちそうさまでした」と食事を終えます。 ご馳走さまは、誰かにご馳走されたときその人に感謝を込めた言葉ではありますが、もともと、動植物などの「命」をいただいたことに手を合わせているのです。日々こうして自分の命をつないでいるのが「生きる」ということでしょう。  だから、おかげさまで今日も一生懸命 “馳せ走る” ことができますと「ご馳走」と書くのです。 本来、獣や魚は自分の命の危険を感じて逃げ回るものを無理矢理捕らえられ、食材として、私たちはそれを口にしています。 野菜は大地に根を張り花を咲かせ実を結び種子ができるまで踏ん張ろうとしているものを引き抜かれ、私たちはそれを口にしているのです。 その悲鳴を聞くこともなく・・・・。  よく話すことですが、「食う」は「喰う(くらう)」ことです。  ちなみに諸説あるようですが、「喰」という字は、右の「食」は人がひざまずいて左の「口」の容器のものを食べている様子を表し、 「人」の下(からだ)にこれらが取り込まれ「命」という字になったと聞いたことがあります。  「食」=「命」ということをその漢字が教えてくれています。  自分でつくれることー  自分でお箸が持てることー  自分で食べられることー  自分で頂きますもご馳走さまも言えることー  そして多くの方の努力で食材とされたものを頂けることー  感謝しても感謝しきれないものがあり、こんなに幸せなことはありません。  今朝も一人で、大根・ニンジン・お揚げちゃんのお味噌汁、玉子焼き、焼き鮭をつくり、いただきました。 ご馳走さまでした。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠ 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」⁠https://amzn.to/3RrFjMN⁠ 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 22, 202306:02
「お彼岸ー自戒を込めてー」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「お彼岸ー自戒を込めてー」エッセイ「田舎坊主の合掌」

お彼岸 寒い冬には、「早く暖かい春が来ないかなあ」と思い、水仙、梅の花、桃の花が咲き、春本番に桜の花を楽しんだのもつかの間、あっという間に夏のような気温が続き、本格的な猛暑がやってきて、暖かさを待ち望んだことを忘れてしまいます。 暑くなってくると「早く涼しい秋にならないかなあ」と思い、彼岸花が咲き、さわやかな季節もあっという間に過ぎ、朝夕めっきり冷え込む季節となると、「近頃は秋が短いなあ」と寒さを恨めしく思うものです。 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように四季があることを素晴らしいといいながらも、今の季節より次の季節を待ち望むのが私たち凡人なのかもしれません。 「いまの季節」を楽しむためには、夏には夏を、冬には冬を、それぞれ知恵を出し工夫して楽しむことしかありません。そうすれば、むしろ暑いことも寒いことも楽しみになるかもしれません。 それを実感し、体感している人も多いはずです。そうしないと、季節がめぐる限りいつまでたっても、不平や不満の多い苦の季節を過ごさなければなりません。言い換えれば、今の季節は「此岸」であり、次の季節は「彼岸」ということになります。 私たちの人生のうち「つらくて苦しくて、いやだいやだ」と思っている今の生活(此岸)も、智恵をしぼり正しい考え方や行動、行為によって「いやではない平安な生活」(彼岸)に変えることができるかもしれないということです。 仏教では、「彼岸」は安らかで苦のない世界のこと、「此岸」は悩み多い苦の現世のことですが、その「彼岸」は決して向こう側にあるのではなく、「此岸」のなかにつくり出すものだと教えてくれているのです。 その方法は「彼岸の中日」にあります。 彼岸の中日は昼と夜の時間が同じでどちらにも偏っていません。 私たちの考え方や行動、行為に偏りがないか、象徴的に表しているのです。 お彼岸は・・・ 仏さまをお祀りすることも大事ですが、私たちの考え方や言葉や行為に偏りがないか再確認する日でもあるのですね。  ・自分勝手なこだわりがないか?  ・「他」を思っているか?  ・平等なのか?  ・自分本意に考え過ぎていないか? 自戒を込めて・・・ 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 20, 202306:32
「もうすぐお彼岸の中日です」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「もうすぐお彼岸の中日です」エッセイ「田舎坊主の合掌」

私はよく「いいかげん」が一番とよく話します。 「いい加減な人」がほめ言葉になってほしいとここでもお話ししました  さてもうすぐお彼岸の中日です。 お彼岸の中日は、昼と夜の時間が同じということから、 どちらにも偏らない「中道」というお釈迦さまの教えを実践する日でもあるのですね。 でも「中道」といえば難しいですが、「中道」こそまさに「平和でいい加減な世界」をつくるのです。  たとえ話をしましょうー 結婚まもないお嫁さんとお姑さんが沢庵漬けを切ったときの会話です。  お嫁さんは沢庵を5センチくらいの短冊に切りました。 そのときお姑さんはー 「今の若い人は沢庵の切り方も知らないのねえ、沢庵は縦半分に切ってから半円のいちょう切りにするのよ」 ここのお姑さんは、いちょう切りにしかしないのですね。  そこでお嫁さんはー “沢庵なんてどんな切り方でもいいのに”って言いたかったのですが、 一息飲んで、「はいわかりました。半円に切ればいいんですね」 と、少しつっけんどんに言って二人は険悪なムードになりました。  ここではお嫁さんとお姑さんのお互いの違った「道」が並行して進んでいます。  これを中道の考え方で言い方を換えると次のようになります・・・  お嫁さんがー 「ああ、お義母さんのようにいちょう形に切れば、きれいだし美味しそうに見えるのね」  お姑さんも、お嫁さんの切ったものを見てー 「そういう切り方をすれば歯触りもよくていいかも・・・」 と言うのです。 そうすれば、それぞれ自分の「道」ではなく、 二人の中間にある「道」に歩み寄っている会話になりますね。 これこそ「中間にある道」中道であり、お互いを認め受け入れる、いわば相手に寄り添う心の移動が中道の実践なのですね。  こうすれば二人とも「苦」ではなく「楽」が得られ、この会話で二人の関係はとっても「いい加減」になれるのです。  ただここで大切なことは、一方だけが「中道」を実践していけば、 一方の人にだけ不満やストレスが溜まっていくことになり、「苦」は増すばかりでしょう。  大切なのは「お互いの行動」なのですね。 お互いの「互い」とは「たがう」「ちがう」から来ています。 「違う」ことを認め合うことは「中道」の実践であり、「いい加減」をつくる基本なのだと思うのです。 でもやっぱり現実には難しいかもしれません。 なので寄り添うという心の移動の練習から始めてみてはどうでしょうか。  お彼岸こそ、その絶好の機会なのではないでしょうか。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 18, 202306:03
「彼の岸・橋がなかったころのインド」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「彼の岸・橋がなかったころのインド」エッセイ「田舎坊主の合掌」

橋がなかったころのインド 大河ガンジス川のガート(沐浴場)で沐浴する人たちが対岸を眺めながら、 『こちらの岸(此の岸)には苦しみや悩みなど、つらいことばかりあるけれど、きっとあちらの岸(彼の岸)には幸せがあるに違いない』 そう思ったのでしょう。 私はこれが「彼岸」の考え方だと思っています。 でも本当は、彼の岸にも悲しみや苦しみは存在するのです。 仏教の「彼岸」とは、苦しみ多き「此の岸」を私たちの智恵や行いによって、幸せと思い、平安と思える世界を作り上げることの大切さを説いています。  もうすぐお彼岸です。 ちなみに、山中伸弥先生を頭に世界に先駆けたiPS治療の臨床治療が始まって8年以上が経ちました。 多くの難病患者、とりわけ網膜治療、パーキンソン病、そして脊髄損傷、心筋治療へと、当事者が夢見た最新治療の研究も成果も積み重ねられています。 まさに日々苦しむ難病患者に寄り添い、苦しみ多き「此の岸」を「幸いなる彼岸」に変えようと、多くの研究者や先生方が努力してくださっています。 本当にありがたいことです。 私たちは、このお彼岸を契機として、置かれた場所で、自分にできる方便で「幸いなる彼岸」をつくる意思を心に留め置きたいものです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 16, 202306:14
「お月さまに手をあわせる」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「お月さまに手をあわせる」エッセイ「田舎坊主の合掌」

私は満月を見ると手をあわせてしまいます。そんな方は多いのではないでしょうか。 私事ですが、七年前、化膿性脊椎炎で腰の骨が溶け約六ヶ月寝たきりで入院していた時、病室の窓に満月が見えたときには、毎日続く激痛のため思わず泣きながら手をあわせたことを忘れることができません。 なぜお月さまに手をあわせるのでしょうか? 私たちの身体にあるお月さまーーー  月(にくづき)がたくさんあります。脳・肝・胃・胆・脾・肌・胸・脇・膵・股・肩・・・・  まるでお月さまでできているようです。 私たちの生活にあるお月さまーーー  暦一月~十二月。  付かず離れずとても大切なもとして、自分のおかれている位置や時間を教えてくれています。これを無視して生活している人はいないでしょう。 私たちの生きる月々の糧はーーー  多くの人が月々の月給で野菜、魚、お肉などを買い自分・家族の身体を養います。  たくさんの命あるものを食し、すべてが血となり肉となって命をつないでいます。  月々の糧が自分の「にくづき」に循環していきます。   * 月は天空にありながら私たちと深く繋がり、関わりを持っているのだと思うのです。 だからこそ手をあわせるのでしょう。 健康であること、元気に働けること、話せること、聞けること。そんな自分をこの世に生んでくれたことにつながるたくさんのご先祖にも・・・・。 たくさんの感謝を込めてお月さまに手をあわせるのではないでしょうか。    * お月さまに手を合わせるもう一つ大切なことはーーー 今、自分が健康で元気に働くことができることに感謝するとともに、病気で苦しむ人や困難な環境に置かれ苦しんでいる人の安寧を祈ることも忘れてはならないと思うのです。 もうすぐ彼岸の中日ーーー 昼と夜の時間が同じでどちらにも偏らない秋分の日。お彼岸の中日です。 お月さまに手をあわせる時、つらい状況に置かれている人のことを思い祈る気持ちは、まさに偏りのない考え方、中道の教えの実践だと思うのです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 14, 202306:29
「あなたのために祈ります」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「あなたのために祈ります」エッセイ「田舎坊主の合掌」

今週、5日間の間に四人の方が亡くなられ、お通夜と葬儀が続きます。田舎坊主として、もちろん初めての経験です。 故人には白寿を全うされた方もいれば、若い奥様もいます。 奥様を亡くされたご主人は泣きながら「妻に先に逝かれたら、つらいなあ」と枕経の席でうなだれました。 そんな折、静岡の友人から奥様が体調不良で寝たきりだと電話が入りました。 そのご夫婦とは、亡くなった次女の病気(胆道閉鎖症)の患者会仲間で、子どもを二人も亡くしているのです。 昨年、彼女は「死ぬまでにもう一度、奥さん(私の妻)に会いたい」と、脳出血と低肺を患いながらも医師の許可をもらって酸素ボンベを準備し来てくれ、懐かしい再会を果たしたのです。 でも妻は三ヶ月後に亡くなったことを知らせると、そのときはずいぶん落ち込んだ様子でした。 その後、彼女も体調を崩したようです。 私はすぐにお見舞いに行きたいけど、遠いこともあり、ご主人も「来てもらっても・・・」と、奥様が重病であることを感じさせてくれました。 つらいです。 今はただただ一日一日が穏やかであることを祈ることしかできません。 生きること、老いること、病にかかること、死ぬこと、すべてが苦です。 今、命あることに感謝し、あなたのために祈らせてもらいます。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 12, 202305:09
「東日本大震災から12年」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「東日本大震災から12年」エッセイ「田舎坊主の合掌」

今日3月11日、東日本大震災から12年ー 犠牲になられた方々の13回忌を迎えることになります 昨年3月10日 5年ぶりに仙台名取閖上の日和山、名取市大震災慰霊碑、 寄り添い地蔵尊にて慰霊の読経をあげさせていただきました。 寄り添い地蔵尊前では隣の接待場の方が写真を撮ってくれました。 5年前には寄り添い地蔵尊は建立されていませんでしたが、 大きく変わっていたのは閖上朝市ができているくらいでしょうか。 読経の後、閖上から広浦、増田川沿いに約6㎞ほど内堤防を歩いてみましたが、 以前には、流された墓石が取り敢えず寄せ集められていた処がきれいで広々とした墓地公園となっていました。 でもまだまだ更地が広がっていました。 やはり東北の海風を受けながら合掌し読経させていただくと、 ここ名取で失われた964名を含む多くの震災犠牲者と、 罪なき多くの命が失われているウクライナの現状も重なって熱いものがこみ上げてくるのを覚えました。 私たちにとって天災は避けられません。 でも折角言葉を持つ人間なんだから話し合いによって争いを避けないと人としての価値がないでしょう。 ひとり一人の悲しみに寄り添えば戦争は止められると思うのですが・・・。 それにしても、日和山のふもとに建立されたお地蔵さまの名前が『寄り添い地蔵尊』と命名されていたことは、 難病患者に寄り添いくださいとの薬師如来祈願巡礼を続けている私には 何か不思議な縁(えにし)と温かい感動を覚えたお逮夜慰霊の旅でした。 令和5年3月11日 東日本大震災お逮夜 不動坊 良恒 合掌
Mar 11, 202304:37
「お盆の施餓鬼に悲しい知らせ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「お盆の施餓鬼に悲しい知らせ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

美容院に出かけられない妻が長い間お世話になった、訪問美容師のYさんが亡くなったとの知らせ。 若い頃から美容教師として活躍し、その熟練した技術を多くの若い美容師たちに伝授し、あるときには沖縄県まで指導研修に出張されることもありました。 独立し動ける範囲で個人的に訪問美容を始められると、その優しいお人柄と技術の丁寧さは多くの方に喜ばれました。 やがて主に老健施設や病院、患者さんの自宅などに訪問出張するようになりました。 Yさんは言います。 「きれいになってもらって元気を出してほしいんです」 「喜んでくれるだけで幸せです」 「私の方こそ患者さんたちから元気をいただいています」  それはまさにボランティア精神、奉仕の精神そのものでした。 パーキンソン病のため姿勢を安定できない妻が毛染めやカットなどをしていただくときには、美容を施す時間や、洗髪姿勢がつらくないように種々工夫し、損得を考えず、手づくりされた小物を持参してくれ、つねに患者の立場に立って髪を整えてくれました。 私が「かかった費用を教えてください」と聞いても、 「いいんです。させてもらえることが幸せなんです」 「喜んでいただけたらうれしいんです」 と言うばかりで、最低限の美容費用だけしか受け取ってくれませんでした。 さらには約30㎞もの長距離を往復する交通費も取ってくれないのです。 「私はここに来させていただいて奥さんの髪を触らせてもらって、帰りには大好きな道の駅に寄ったりできるのがうれしいんです」と。  妻が亡くなってからは自坊で開催している土寺小屋にも、毎月の護摩焚きにも、顔を出してくださり、熱心に不動寺に足を運んでくれました。土寺小屋全員で高野山に遠足したときも、新しい高野山を発見できたととても喜んでくれたことを忘れることができません。 そしてその1年後、Yさんから「ちょっと言葉が出にくくなった」と相談を受けました。 私は医科大学病院の神経内科受診をすすめました。 三回ほどの検査入院で萎縮性の神経難病と診断されたのです。 難病患者さんなどのために奉仕されていた方が自ら難病の診断を受けるという、ほんとうにつらい報告でした。 私は何度か自宅を訪問し固縮した手を握りさすりながら、 「こんなことしかできなくてごめんね」 そう言うと、 「先生、うれしいです、うれしいです」 と、出にくい言葉で返してくれました。  亡くなる3日ほど前、自宅に伺っても応答はなく、近所の方が、 「四月から入院されていて、この時期、ご家族以外は会えないそうです」 と教えてくれ、心残りでしたが帰宅しました。 彼女は「先生のフェイスブック楽しみです」といつもコメントを入れてくれ、料理をアップすれば「料理本出してください」、寺院巡りをアップすれば「一緒にお参りさせてもらいました、幸せです」と。 それがやがてスタンプだけになり、「いいね」だけになり、ついにスマホを握れなくなりました。 そしてお盆施餓鬼の日に息子さんから訃報が入ったのです。 施餓鬼会の朝、寺から見える麻生津大橋を跨ぐように大きくかかった虹は、もう一度不動寺へとのYさんの霊魂の架け橋だったように思うのです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 10, 202308:41
「西行法師と先代老僧の死」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「西行法師と先代老僧の死」エッセイ「田舎坊主の合掌」

『願わくば 花の下にて春死なん その如月の望月のころ』 西行法師の有名なこの和歌の大意は、「できるなら桜の咲く花の下で死にたいものだ。お釈迦さまが亡くなった二月の十五夜、満月のころに」。 私は、その句のとおり桜の下で庵を結び、西行終焉の地としてしられる南河内の弘川寺に一月、薬師如来霊場巡拝でお詣りさせていただきました。 もちろん桜も紅葉もすべて落葉の時期だったので、その時には是非桜の時期に来たいと思ったものです。 コロナ自粛の中、人出のほとんどない曜日、時間帯にリハビリウォーキングを兼ねて弘川寺桜山周遊路へ、 そして山上の西行庵跡がある裏山まで往復約2.5キロを上ってきました。 庵跡看板には二首が書かれていましたー  『麓まで唐紅に見ゆるかな さかりしくるる葛城の峰』  『訪ね来つる宿は木の葉に埋もれて 煙を立つる弘川の里』 庵跡山上から大阪の町を眺めると、満開の桜の向こう遠くに、当時はなかったPL教団のシンボル塔が白く輝いていました。   * 私の父先代住職は、平成8年4月6日、自坊不動寺の小さな境内にある一本の桜の下で、私の友人たちと恒例の夜桜花見をして楽しいひとときを過ごしました。 酒も回り上機嫌になった親父は、自分の趣味だった、いろんな帽子を参加者全員に持ち帰らせたのです。 そして翌日、四月七日、大好きな朝風呂に入り、そのまま旅立ったのでした。 まるで四月八日に釈迦に生まれ変わるため、というように・・・。 朝風呂は自ら湯灌とし、昨夜のみんなに持たせた帽子は忌み分けとなったのです。 野辺の送りは、人生の最後に最高の楽しい時間を過ごした自坊の満開の桜と、その下にたたずむ多くの友人知人の見送りを受け出棺しました。 そして私のご詠歌のお弟子さんたちの、  阿字の子が 阿字のふるさとたち出でて またたちかえる 阿字のふるさと のご詠歌とともに、まるで桜に心ありて散華するがごとく、風もないのに桜の花が舞い散り、あたかも西行法師の和歌、 『願わくば 花の下にて春死なん その如月の望月のころ』 を彷彿とさせる印象深き野辺の送りでありました。   * 私は弘川寺の西行法師墓前で、「願わくば、先代のように・・・」と掌を合わせてきましたが、 「お前には贅沢な願いだ」と、西行さんに叱られそうです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 08, 202307:08
「妻に贈った諷誦文(ふじゅもん)」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「妻に贈った諷誦文(ふじゅもん)」エッセイ「田舎坊主の合掌」

敬って申す諷誦文のこと それ思うに身も心も熱し尽くさん残暑厳しき夏葉月、地蔵盆の子ら賑やかに和讃を唱え、無事安寧を祈願するなり 本日ここに祭壇を設け不動寺刀自 森田敏子の葬儀を営む 師は平成六年不動寺に嫁ぎ、善き大黒として精進これ重ねたり 傍らにおいては日本舞踊藤間流の名取の素養生かし、高野山本王院大奥様を師と仰ぎ、 ご詠歌舞踊を習得しての奉納舞踊は、厳かなること天女の舞うがごとくなり さらには自ら住職とともに難病患者の支援に尽力され、多くの患者家族の支えとして活動するも、 悲しいかな平成十五年自ら難病に冒され、闘病の日々を送ることとなれり されど病気を持ちながらも多くの難病患者に寄り添うべく平成十七年、不動寺境内におたすけ地蔵尊を発願建立し、 多くの檀家にその光明とご利益を授け続けられたり 病気は進行するものの気丈に加療を続け、過日は胃ろうからの脱却、心肺停止からの奇跡の生還を成し遂げられ これもひとえに大日大聖不動明王、お大師さま、まさにおたすけ地蔵尊のご利益そのものと所存せり ああ悲しいかな哀しいかな 別れは突如として師に襲いかかり、卒然として冥界の人となれり 師の末魔たるその姿は、阿字たる大日如来の化身、大日大聖不動明王に導かれ、お大師さまに杖を借り、 八月二十四日地蔵盆を命日とし、おたすけ地蔵さまが道を照らし、その身には五智円明の光を放ち、いとも安らかに覚りの峯に登り逝きぬ ああ尊いかな師の大往生 この意に鑑み、師に宝寿院華照優敏大姉の院号を贈る その慈悲に包まれし朋友ら、今まさに哀惜の念、無量の涙を法滴せん 今ここに釈尊の遺風にのっとり、結集合い寄りて導師を請じ、秘密の葬儀を営み、 大姉が霊棺を担ぎ、愛宕山の望月の如く、法性の月影浄くさし渡る浄域に引導す 願わくば、尊霊速やかに阿字の蓮台に上り、我らが微供を納受せられんことを   乃至法界平等利益       良恒敬白 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 06, 202306:03
「妻の看取りと魂のありか」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「妻の看取りと魂のありか」エッセイ「田舎坊主の合掌」

パーキンソン病歴15年、要介護5度の妻は去る平成29年6月16日、 訪問看護師に対応していただいているとき突然、心肺停止をして救急入院しました。 看護師の適切な対応で一命を取り留め、約10分後に心臓も呼吸も回復し、二日目には意識が回復したのです。 聞けば心肺停止から蘇生する確率は1~7%だそうです。しかも十分間心停止していたにもかかわらず、まったく後遺症も残さなかったことは奇跡だそうです。 順調に快復したことは関わっていただいた医療関係者のご尽力もさることながら、お大師さま、お不動さま、そして「病に苦しむ人に寄り添い、苦しみを取り除いて下さい」との心願で平成17年に自坊に発願建立した、おたすけ地蔵さまのご加護と心から観じています。 妻はその2年前、8ヶ月の胃ろう生活を乗り越え、主治医をして「回復しての胃ろう抜去はあまり経験がない」と言わしめた、胃ろうからの卒業を果たしました。 そして今回は心肺停止からの蘇生、しかも後遺症なしという奇跡でした。 胃ろう設置・抜去、心肺停止と、そのたびに妻は生命力の強さを教えてくれました。「命」のたくましさとありがたさに唯々感謝しました。 8月16日、退院した妻は次の日から常食をむせることなく食べ、薬の調整もうまくいき日常生活を送れるようになっていました。家に帰れたことの喜びが薬になったのでしょう。8月23日病院に行くと、先生から「元気になってよかったね。次の外来は2ヶ月先に予定入れとくから」と言われ満面の笑顔でお礼を言い、両手を振ってお別れしました。 薬処方の間に食事のためお気に入りのお店に行きました。椅子席は満席で、妻は座敷には座れないため、あきらめて店を出ようとすると、若い男性客四人が席を譲ってくるというのでお礼を言って椅子席に座らせていただきました。妻は好みのものを注文し、私の分まで食べてくれるほどでした。 帰り道、  「一緒に病院に来られたこと、席を譲ってくれたやさしい人たちに会えたこと、お店で美味しいものを食べられたこと、もちろん自分の口で、そして二人で自分の家に帰れること、こんな幸せはないなあ、ありがたいなあ、感謝しようよ」 と話し、普通であること、あたりまえであることの幸せを感じながら、帰宅しました。 翌24日はデイサービスの日で朝からいそいそと洋服を着替え、唇の色で体調を見るから口紅をつけないように言っても聞かず、しっかり化粧をして大好きな職員の送迎で出かけました。一般浴にも入り、好きな粘土細工や軽い運動を楽しくできたことで喜んで帰ってきました。 帰宅後4時から訪問看護を受けるのですが、そのときに突然2回目の心肺停止の状態に陥ったのです。 前回と同じ看護師から「心臓マッサージをしますか?」と聞かれ、「心臓止まってるんですか?」と確認したあと、少し時間をおいて「もう結構です」と答えました。 それは、もしマッサージを施して2ヶ月前のように蘇生したとしても、また救急車で病院に運ばれ、点滴、絶食、長期入院という状況を妻に再び与えることは、私には耐えがたいことだったのです。むしろ退院してからの8日間の穏やかな幸せな記憶のまま、静かに逝かせたかったのです。 私は妻の手をにぎり顔を見つめながら、心の中では「これでいいのか?」「マッサージした方がいいのか?」という葛藤がありました。私は「許してくれよ、これでよかったんか?ごめんな」と心の中で叫びました。 しかしまるで私を許してくれているかのように、妻の最期は穏やかな顔をしていました。 この日は8月24日、地蔵盆です。きっと自ら建立したおたすけ地蔵尊の懐に抱かれているのでしょう。  通夜葬儀には、妻がパーキンソン病に罹る以前からボランティアとして関わった、同病の仲間や難病患者会の患者さんたちも病気をおして参列し送ってくれました。               * そして満中陰を済ませたあと、気分転換にと妻とお参りしかけていた西国巡礼札所に行こうと、子どもたちが声をかけてくれました。ご朱印のお軸にご詠歌を書いていただき、本堂の前で般若心経をお唱えし「残りの札所はこれからお参りするから見守ってや」と心で願いました。 お参りも終わり、孫たちの買い物があるということで、あるショッピングセンターの駐車場に車を止め、ドアを開けたとき場内放送が聞こえました。  「・・・お越しのモリタTコさま・・・」 亡くなった妻の名前を言うではありませんか。みんなびっくりして顔を見合わせました。 まるで妻も一緒に来てるような放送です。私は胸が熱くなり、孫たちに「きょうは、ばあちゃんも一緒に来てるんやなあ」と話しかけました。 亡き妻がみんなを守るように行動を共にしているようで、魂のありかをまざまざと感じることができた、本当に不思議な出来事でした。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 04, 202312:08
「亡き娘の誕生日に」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「亡き娘の誕生日に」エッセイ「田舎坊主の合掌」

ある年のお彼岸のことー その日は亡き娘の誕生日。 孫娘から「きょう、えりちゃんの誕生日? ケーキ買って帰る」と電話が入った。 えりは1980年(昭和55年)お彼岸に生まれた次女のこと。次女は生後、胆道閉鎖症と診断され5歳で亡くなりました。 35年以上も前に亡くなったえりに、孫からすれば叔母にあたるその子のためにケーキを買ってくるというのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ある人から、 生まれてすぐ重い病気になった娘について「彼岸に生まれた子は短命って聞いたから・・・」などと、 心ない言葉をかけられたことは、今でも心に残っています。 今ではその人のことは、言葉を頭の中で咀嚼せずすぐ口に出る方なんだとそう思いますが・・・。 やはり私にはつらい言葉だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ひょっとしたら孫娘はケーキを食べたかっただけかもしれませんが・・・・。 それにしても仏壇に位牌と写真しかない子のため、亡き叔母のために、 「ママの妹だから」とケーキを買ってきてくれる孫娘の優しさに少し胸が熱くなった。 そしてこの子はきっと、心ない言葉を発するような大人にはならないだろうとうれしい気持ちになった。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Mar 01, 202305:35
「華岡青洲生誕の地 ー華岡青洲音頭ー」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「華岡青洲生誕の地 ー華岡青洲音頭ー」エッセイ「田舎坊主の合掌」

孫の小学校の運動会での総踊りは今年も「華岡青洲音頭」でした。 私が当地出身の医聖華岡青洲をたたえて作詞作曲したもので、私が唄っているものを今でも使ってくれてます。 エーテルより四十二年も早く、世界に先がけて全身麻酔薬を完成した華岡青洲の出身地なんですから、この歌が長く続いていることはありがたいですね。 華岡青洲は紀州藩主の侍医を請われた時、 「私は地位も栄誉も望まない。ひたすら病人を回生させる医術を極め、難病患者を救いたい。絹の着物を着たいとか立派な馬に乗りたいとは思わない」 といって断ったのです。 そしてその信念を漢詩に整え、弟子たちに贈りました。            竹 屋 蕭 然 烏 雀 喧(ちくおくしょうぜんうじゃくかまびすし)                       風 光 自 適 臥 寒 村(ふうこうおのずからかんそんにがすにてきす)             唯 思 起 死 回 生 術(ただにおもうきしかいせいのじゅつ)                       何 望 軽 裘 肥 馬 門(なんぞけいきゅうひばのもんをのぞまん)             ここは素晴らしい医聖華岡青洲の生誕地なのです。 ****** <おまけ>華岡青洲音頭       曲・詩  森田良恒 一.紀州 紀ノ川平山は 諸国東西へだてなく    青洲慕う人の波 医の先人は穏やかに   未来を拓す 未来を拓す ああ春林軒  (はやし)ヨイヤソレ ヨイヤソレ シャシャントシャン       青洲音頭で シャン シャン シャン 二.世に礎(いしずえ)数あれど 我が身ためせと母と妻   たとえ瞳光(ひかり)は消えたとて なんで惜しかろ悲しかろ   愛が支えた 愛が支えた ああ通仙散 三.やまい苦しむ人のため 薬草極め麻酔薬   これぞ医の道 医のもとい 世に先駆けのメスを持つ   生命(いのち)燃やせし 生命燃やせし ああマンダラゲ 四.海山越えて名声は 医学の道を切り拓く   世界の偉業 麻酔術 咲かせ華岡青洲よ   咲かせ華岡 咲かせ華岡 ああ青洲よ 五.今も新らし 知恵と技 真(まこと)の人の範示す   我が那賀町の誇りなり 医聖 華岡ここにあり   永久にたたえよ 永久にたたえよ ああ青洲よ ****** 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 27, 202311:47
「『田舎坊主の求不得苦』と『田舎坊主の闘病日記』の読後所感2通」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「『田舎坊主の求不得苦』と『田舎坊主の闘病日記』の読後所感2通」エッセイ「田舎坊主の合掌」

『田舎坊主の求不得苦』を読んでくださったパーキンソン病患者さんからお手紙をいただきました。  「正月から誤嚥性肺炎のため救急入院しました。『大晦日 定めなき世の 定めかな』(大意:いつ何が起こるか分からない人生でも、きっちりと大晦日はやってくる)という井原西鶴の俳句がありますが、私が意識を取り戻したとき『何があったのか、先生ありがとう、みんなありがとう、延命はやめてくれ』と言ったそうです。40歳で失明し、92歳で亡くなった知人は断末魔に『花・はな・・・』と言いました。  私には花など見えず途方もない幻覚と苦しみだけが記憶にあります。最近ようやく活字が読めるようになりました。でも口から水も食べ物も入れられないのは、おもしろくありません。近日中に退院できそうですが、胃ろうの克服に挑戦します。  今回多くの方のおかげで、再び生をもらったわけです。生まれたとたん20年の病歴のパーキンソン病患者です。 生まれ変わり、活字が読めるようになってはじめて読んだ本が『田舎坊主の求不得苦』であったのは、本当に幸いでした。ありがとうございました。」 その彼は今、リハビリと趣味をかねて卓球に取り組んでいます。 合掌    * 「田舎坊主の闘病日記ー腰の骨が溶けたー」を読んで頂いた方から読後感を寄せていただきました。  本当に考えさせられる一冊です。  夫婦とはー  家族とはー  病とどう向き合うのかー  絆とはー  人の真の真心とはー  そして自身の生き方とはー  沢山の事を考えさせられました。  森田先生の奥様に対する愛情ー  御住職様ならではの苦悩ー  御自身が病であるがゆえの苦悩ー  家族、縁の方々の心温まる日々ー  森田先生だからなのかもしれません。  この様に苦悩を送られてきたからこそ、あの心温まる微笑み、説法が私の心をも優しく包んで下さっているのかもしれません。  私自身が不自由であるがゆえに『人様の優しさ、思いやり』に心が痛い程に有り難く感じる日々。  でも自分が健康であったなら、どうであっただろうか?  自分がどうあるべきなのか、諸々と考えさせられました。」 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 「田舎坊主の求不得苦」 https://amzn.to/3ZepPyh 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 25, 202306:51
「『笑顔の花』に送った応援メッセージ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「『笑顔の花』に送った応援メッセージ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

病気とともに生きる子どもと家族のための支援活動の団体「笑顔の花」へ送った応援メッセージです。 「1980年に生まれた次女が胆道閉鎖症と診断され仙台の大学病院で手術しました。約一年半入院し、その後延べ7つの病院で入退院を繰り返し、1985年5歳になったとき肝硬変で亡くなりました。   この間、多くの難病があること、難病の子どもが多くいること、専門病院が少ないこと、相談機関がないこと、近くに同病の子どもがいないため情報が得られないこと、さらには入院時に付き添いなどで体を休めるようなリラックスルームや宿泊施設が無いことなど多くの経験をしました。   当時、大学病院入院中は妻が病室で付き添うことが出来ましたが、私が代われるときには和歌山県から仙台まで車で行き、ホテルなどでは費用がかさむため夜は車中泊を続けて看病を代わりました。  子どもが亡くなって四年後、子どもの闘病で経験した思いを当事者同士で共有し、ピアカウンセリングとともに行政や国に要請することを目的に、一九八九年(平成元年)に地域の患者会に呼びかけ和歌山県難病団体連絡協議会を結成しました。   私は二十年間会長を務め現在は顧問の立場ですが、在任期間中継続して県に要望したことは、主として「子ども専門病院とペアレンツハウスの設立」でした。   一時は当時の知事と「子ども病院を5年後に設立する」という確約をいただいたものの、結局財政的理由で「子ども保健相談センター」という難病相談支援センターの前身が開所するにとどまりました。当然、私の在任中にはペアレンツハウスも実現することはありませんでした。   このたび、長野県の「笑顔の花」茅房栄美さんが安曇野市で患者家族滞在施設マザーハウスを開所したいという情報に出会いました。   長野県には子ども病院はありますが、県はちがうもののその活動は私が取り組んできたことと趣旨は一にするものであり、茅房さん自身も子どもさんの闘病のなかでご自身が肌で感じ、必要な施設なんだと思われたことは想像に難くありませんでした。 さらに子ども病院での病院ランチデリバリーや災害支援、新型コロナウイルス感染症の蔓延では手づくりマスクの提供などその活動は多岐にわたっています。  まさに私自身叶えられなかった活動を実現しようとされていることに加え、当事者に寄り添う活動に感動し、微力ではありますがご支援させていただきたいと思っています。   和歌山県紀の川市 不動寺 住職  和歌山県難病団体連絡協議会 顧問  紀の川市難病患者家族会きほく事務局長   森田良恒 合掌」 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 24, 202306:39
「従姉妹からの拙書読後感」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「従姉妹からの拙書読後感」エッセイ「田舎坊主の合掌」

従姉妹から拙書三冊の読後感をいただいた 「三冊ともすぐ読ませていただきました。難病患者にとって読み手への優しさが伝わってきました。 早くからふる里を遠く離れた私にとって、この本を読むことがなかったら、良恒ちゃんの人生を知ることもなかったでしょう。 二作目の『田舎坊主の愛別離苦』の中にあなたが憲法九条を守ること、平和の大切さを書いてくれていました。 私は少し絵を描いているのですが『美術九条の会』また『平和美術展』というのがあります。 微力ですが私も平和を守ることの大切さを絵の恩師から教えられました。」  その後何度となく電話で話し合いました。 その彼女は難病の悪性関節リウマチの影響で腰痛がひどく、足指の変形で靴が履けず、目の炎症も悪化し見えなくなる前の要手術状態だったのです。 さらに病弱の夫と母親の介護と看病の日々、周囲からはとても絵が描ける状態に見えないなか、 それでも「絵を通して平和を」の信念から描き続けていたのです。 その従姉妹が昨年暮れ亡くなったことを弟さんから知らされたのです。急逝だったことを聞いて驚くとともに、彼女の人生を思うと胸が詰まされました。 今年松の内も明けた頃、その従姉妹の姉から電話がありました。妹の死の報告とともに長い電話になりました。 生前に妹から私の「田舎坊主の闘病日記」を読むことを薦められ、その時、電話番号を教えてもらっって連絡をくれました。  その姉は両親の猛反対を押し切って両腕欠損の病弱男性と結婚し、その後、声を潜めて生きてきました。 私の本を読んではじめて私の半生を知り、堰をきったように話してくれました。 そして最後に、私が作った「仏前のおつとめ」奥付の部分、  ・そのままで結構ですと喜びましょう  ・人、世のために奉仕しましょう  ・有り難い、有り難いと腹から唱えましょう  これらをいつも暗唱していると言って、ありがとうと電話を切りました。    *  年末年始、「生きる」ということを考えさせられました。  長く生きることは大切なことでしょう。  でも長さではなく、  ・何をしてきたのか(奉仕したのか)  ・どう生きているのか(感謝はあるのか)  ということも大切な生き方だと思うのです。  これからもお不動さま、お薬師さま、観音さまに「難病患者のお心に寄り添って下さい」と祈り続けていこうと思います。  私にはこれぐらいのことしかできないのですから。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」https://amzn.to/3BTVafF 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 「田舎坊主の七転八倒」https://amzn.to/3RrFjMN 「田舎坊主の闘病日記」https://amzn.to/3k65Oek 「田舎坊主の愛別離苦」 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 22, 202310:32
「妻と友人の死」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「妻と友人の死」エッセイ「田舎坊主の合掌」

ある年の8月20日、土寺小屋の生徒の女性が膵臓ガンのため手術をすると、周囲に話すことなく私にだけ打ち明け、 「手術が成功するように、お不動さんに祈願しといて」と言われました。 彼女は詩舞、剣舞、太鼓、詩吟と八面六臂に活動する元気者でした。 この8月20日前後は、妻が退院し、残暑厳しいなかでも外に出て花いじりをするくらい調子がよく、 私は「どうか手術が成功して、妻と同じように元気に帰して下さい」と何度も手を合わせました。 ところが、妻がその4日後、突然逝ってしまいました。 41日ぶりにその彼女がうれしい退院となりました。 「すぐに奥さんに会いたい」と仏前にお参りに来てくれたのです。 泣きながら、泣きながら「奥さん、ごめんね、見送ることができず、ごめんね」と・・・。 12時間の大手術が成功し元気になって退院してきたとはいえ、痩せ細った彼女の背中を何回もさすりながら、 私は「ようがんばったね、ようがんばった。よかったよかった。元気な顔を見ることができて、こんなうれしいことないよ」 と言うと、ご主人から「おかげで退院することができました」と言われ、三人で泣きながらの六週間ぶりのうれしい退院、そして再会でした。 前妻がこの手術と同じ手術をしたので、よく知っている私は帰り際、 「妻の分まで元気になってな。そして何回にも分けていいから、少しづつしっかり食べるんやで。必ず体重は戻ってくるから」 と話しかけながら、また三人で泣いてしまいました。 でもその彼女も五ヶ月後、哀しいかな、妻と同じ冥界に召されてしまったのです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 20, 202307:47
「上海列車事故29年目の事実と日本の政治」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「上海列車事故29年目の事実と日本の政治」エッセイ「田舎坊主の合掌」

今から35年前、1988年3月24日、高知学芸高校の修学旅行生を乗せた列車が上海で事故に遭いました。 27人が死亡、36人が負傷する大事故でした。 ちょうどその日、私は外国人に開放されてまもないシルクロードに入りました。 しかし、この事故の情報を聞いたのは日本に帰国してからのことでした。 中国国内の情報管制のひどさをあらためて感じることとなった経験でした。 当初から遺族側が訴え続けていた事故原因について、中国側が29年を経てはじめて対向列車が時刻表より2分早く出発したことを認めました。 それは中国鉄道省の資料のなかに、対向車両に規則違反があったと明記されていたのです。 中国でさえ検証された事実がきっちり記録されていたからこそ、遺族側が訴えていた事実が解明されたことになります。 憧れの中国旅行で犠牲になった多くの若者の命が帰ってくるわけでもありませんが・・・。 あらためて心から冥福を祈りたいと思います。 ひるがえって日本の政治では、「記録がない」、「記憶がない」、「資料は廃棄した」 これでいいのでしょうか、日本の政治。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 18, 202307:13
「わが家のアロエさま」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「わが家のアロエさま」エッセイ「田舎坊主の合掌」

我が家のアロエ様ー  あなたは、えらい! ほとんど土のない石垣の隙間でこんなに大きくなり 主人の手から一滴の水を与えられることもなく ましてや一粒の肥料も与えられることもなく 夏には灼熱の太陽とブロックの熱に負けることなく 冬にはたとえ氷点下になり その身は凍てついても絶えることなく 40年以上この味気ない場所を住処として生き続け 子株を増やし続けてきました アロエ様 あなたは、えらい! 自ら生き続けるだけではなく あなたは何度、火傷の薬として人の役に立ったことでしょう きのう私が手を火傷したときも 傷口を包み込み、痛みを消し、水疱も作らせず たった1日で大きめの傷テープ一枚だけですむような そんな小難に抑えてくれました 夏も冬も自然の厳しさに耐え 与えられるものが何一つなくても 文句一つ言わず日々生き続け 周囲に火傷をした人があれば 手当薬として人の役に立ち お礼の肥料を求めようともしない それどころか毎年花を咲かせ 人の目や心を癒やしてくれます     *  アロエの仲間たちは ある時は化粧品となり あるときは胃腸薬となり あるときはヨーグルトと一緒になり ただただ他のために生き続ける アロエ様 あなたは、えらい! 私はそんなアロエに・・・ あっ、いやっ・・・ そんな人に、私は、なりたい 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 17, 202304:33
「私宛じゃない?」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「私宛じゃない?」エッセイ「田舎坊主の合掌」

ある大きなイベントで必要なものをお貸しして、少しアドバイスもさせていただきました。 大したこともしていないのに、その代表者からお礼といって商品券と一つのお品を届けていただきました。 そのお品を開けてみると、紅白の無地熨斗の下に丁寧なメッセージカードが二ページもはさまれていました。 でもその丁寧な感謝のメッセージは私宛ではなく、その代表者宛のものでした。 ということは、そのお品はある方からその代表者に送られたものだったのでしょう。 たぶん、熨斗の下にメッセージがあることに気づかず、そのまま私の家に持参いただいたということになります。 さて、私はこのメッセージカードをどうすればいいのでしょうか? メッセージカードを返せば「もらいものを届けた」という証拠を示すことになり、恥をかかせてしまうかもしれません。 返さなければメッセージを書いた方の感謝の気持ちが代表者には伝わらないことになります。 はてさて、私はどうすればいいのでしょうか? よきアドバイスを! 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 15, 202304:43
「お日さまに感謝」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「お日さまに感謝」エッセイ「田舎坊主の合掌」

お洗濯日和の朝 お日さま、あなたに感謝! お日さまの力で、洗濯物が乾いていく お日さまの力で、きれいになったものを身につけられる お日さまの力で、作物が育つ お日さまの力で、緑が色濃くなる お日さまの力で、色彩豊かな世界を見せてくれる お日さまの力で、熱が生まれ電気が生まれる お日さまの力で、酸素を吸うことができる お日さまの力で、地球も人も生きられる      * お日さま、あなたに感謝! 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 13, 202303:40
「ええかげんのすすめ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「ええかげんのすすめ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

あるお宅で法事のあと奥さまがお茶を出してくれました。 「もう冷めました?」と聞くので、私は「とてもええかげんです」と答えました。 お茶でもお風呂でも「ええかげん」は一番いい状態なのに、人間にこれが付けば「ええかげんな人」と悪い人になってしまいます。 味で言えば「ええ塩梅」、甘すぎず辛すぎずちょうどいい味加減のことです。 洋服はきつすぎず緩すぎず、話しは長すぎず短すぎない、これがええかげんで絶妙な調整具合のことです。 「ええかげんな人」が褒め言葉になればいいと思うのです。 ええかげんに生きましょう! 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 11, 202306:21
「大雪のリモートお葬式」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「大雪のリモートお葬式」エッセイ「田舎坊主の合掌」

2014年2月14日は全国的な大寒波で和歌山でも相当な積雪がありました。 ほとんどすべての交通機関がストップしてしまいました。 しかしこの日は大阪でお葬式が予定されていました。 ご親族も参列者もお寺もセレモニーホールに行くことができないため 私は自坊で引導作法と読経をネットで会場に送ることを担当者に連絡しました。 でも担当者からは「ちょっと何言ってるかわかりません」とサンドイッチマンの富澤さん風に言われてしまいました。 結局、和歌山の寺での読経作法をDVDに録画して後日ご遺族に送ることにしました。 パソコン大好きのデジタル坊主の私ですが、案外不便だなあと思ってしまいました。 でもよほどのことが無い限り、お葬式はリモートでは申し訳ないですね。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 10, 202306:15
「55年ぶりの恩師との再会」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「55年ぶりの恩師との再会」エッセイ「田舎坊主の合掌」

55年ぶりに恩師亀岡弘昭先生と再会しました。 高野山のお寺で小坊主をしていたとき、ヤンチャだった私をいつも温かく見守ってくれた先生です。 高校卒業時には宗務総長賞を授与くださり、大学も推薦奨学生という計らいをして頂きました。 久しぶりの再会に先生が最初に言われたのは「あなたの本はみんな読ませてもらいましたよ」とー 私は思わず覚えてくださっていたこともさることながら、本まで読んでくれていたとは。 感激と感動を覚えました。 先生はお元気で今も歩いて檀家まわりなど寺務をこなされていました。 帰りに奥さまは「桜の時期に来てください、きれいですよ」とー 私は桜の時期の再訪を約束して帰山しました。 ところが残念なことに、翌年の桜を見ることなく先生が遷化された訃報が届きました。 悲しいかな哀しいかな どうかそちらから高校時代のように私をお見守りください。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 「田舎坊主の七転八倒」 https://amzn.to/3RrFjMN 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 08, 202305:58
「病病介護」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「病病介護」エッセイ「田舎坊主の合掌」

あるパーキンソン病患者宅を訪ねました。 奥様が患者さんでヤール4の重症度。一日のうち薬が効いているのは数時間です。 歩けない、力が入らない、トイレもままならない、食事の用意ができない・・・。 それを旦那さんが介護する高齢者二人家族です。 その旦那さんが胃に腫瘍ができて週明けに入院するというのです。 患者の状態を一番よくわかっている人が病気になり、介護できなくなる患者さんの不安は計り知れません。 一昔前は「老老介護」、今は認知症患者が認知症患者を介護する「認認介護」だそうです。 今、病人が病人を介護しなければならない「病病介護」が増えてきています。 国は「在宅」を推し進めています。 でも「在宅支援」増額予算よりも、最新鋭無人偵察機グローバルホーク三機の購入費用のほうが高額なのです。 もっと弱者や難病患者に寄り添った政治を望みたいものです。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 06, 202306:19
「子は親の背中を見て育つ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「子は親の背中を見て育つ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

20年以上も前のことー 私の講演を聴かれた奥さまからご主人の難病について相談を受けました。 ご主人は全身に炎症ができる難病で小腸切除、脳内炎症、それによって片目失明という絶望的な状況だというのです。 私が家庭訪問をしても「難病の会の人なんかに会いたくない」とご主人は会ってくれませんでした。 奥さまはパートに出て、食べ盛りの子どもさんを必死に育てていました。 数年後ー 「長男は早く手に職をつけると公立専門校に、娘は患者さんお役に立ちたいと看護学校に、末っ子はスポーツをがんばっていてみんないつも笑顔をくれます」 と書かれていました。 子どもたちはしっかりと親の背中を見てるんです。 そんな子どもたちこそ弱い立場の人に寄り添う優しく心豊かな人間になるのでしょう。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 04, 202305:56
「仲間の旅立ち」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「仲間の旅立ち」エッセイ「田舎坊主の合掌」

パーキンソン病患者の仲間が旅立ちました。 彼は紀州みなべの海の近くに生まれ、地元でとれる魚を専門に扱うお店を開きました。 当時は白浜帰りには多くのお客さんが足を止めてくれました。 しかし紀南地方に高速道路がつながると客足が激減しました。 やがてネット販売をはじめると、そのクチコミでまた客足が戻るようになったのです。 彼がパーキンソン病の診断を受けてから16年ー だんだん飲み込みも薬の効きも悪くなって、ジスキネジア(不随意運動)も激しくなって、 椅子に座ることもできなくなりました。 それでも地区の役員、寺総代、患者会のリーダーとしてがんばってくれました。 パーキンソン病友の会では県支部長も務め、リハビリのための卓球同好会も立ち上げました。 近畿各地から患者が集い大会も開催してくれました。 地区の役に立ち、社会の役に立ち、患者会を引っ張ってくれた彼が、 お彼岸に旅立ったのですから安寧浄土に赴くことは間違いないでしょう。 安らかに安らかに 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Feb 02, 202305:60
「なぜかコロナで考えた」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「なぜかコロナで考えた」エッセイ「田舎坊主の合掌」

私たちの生活は多くの「不要と思われるもの」に支えられています。 和歌山県発祥のもので考えます。 1.青カビ菌のはたらきを利用したカツオ節つくり 2.こうじカビを利用した味噌・醤油つくり 3.捨てられた存在だった高野豆腐 4.除虫菊という花の毒性分を利用した蚊取り線香 5.マンダラゲの毒性を利用した全身麻酔薬「通仙散」 汚いもの、腐ったもの、毒になるものなど一見不要と思われるものが 素晴らしいものを生み出して人の役に立っています。 私たちの社会においてー 健康人やお金持ちや格好いい人だけが立派でしょうか? 障害を持っている人や病気を患っている人から、 優しい心や思いやりという心の栄養を与えられていることに気づくことはないでしょうか。 コロナに感染した人がいるから、ウイルスを取り出しワクチンや薬が開発されるんです。 自分の判断尺度で無駄不要と思うまえに、ちょっと考えたいものです。 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 31, 202308:51
「可愛い栞」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「可愛い栞」エッセイ「田舎坊主の合掌」

膠原病患者の若い女性から可愛い栞が届きました。 彼女は小学校3年生のころから、朝起きるのがつらい、フラフラする、食べ物がのどを通らないなどと不調を訴えました。 学校で給食のお肉がのどを通らないというと、先生は無理矢理お肉を口に押し込みました。 それでも食べられませんでした。 お母さんはこれは普通ではないと思い病院で診てもらいました。 でもどのの病院でも「検査に異常がありません、気のせいでしょう」といってしっかり診てくれませんでした。 結局30以上の医療機関を当たること20数年、彼女が30歳の時にやっと膠原病の診断を受けました。 絵が上手な彼女が高校生の時先生から美術大学進学を勧められましたが、 体調がついていかず断念しました。 80才を超えるお母さんには心労なども重なり胃の切除、足の一部壊死などがある患者さんです。 彼女のお兄さんは職場でのいじめで退職、引きこもりとなりました。 可愛い栞とともにお母さんのお手紙にはー 辞世の句ともとれる三句とともに 「難病患者には冷たい世の中です。ご迷惑でしょうが、私を頼りにしている子どもたちをよろしくお願いします」と 書かれていました。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 30, 202308:03
「東日本大震災、あたりまえに感謝」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「東日本大震災、あたりまえに感謝」エッセイ「田舎坊主の合掌」

私が1951年に生を受けてから、幾多の自然災害に見舞われてきました。   私が記憶しているものだけでも、次のようなものがあります。    1983年、日本海中部地震(秋田、青森)    1990年、雲仙岳噴火(長崎)    1993年、北海道南西沖地震(北海道)    1995年、阪神・淡路大震災(兵庫)    2008年、岩手・宮城内陸地震(東北)   そして2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。 今年で丸12年、亡くなられた方々にとって13回忌となります。 当時報道から流れてくる避難所や現場の声にはー 「生きててよかった。それだけで充分です」 「家族がたすかっただけでもありがたい」 「命があっただけで、しあわせです」 そしてたった1杯の温かい飲み物や食べ物が差し入れられれば、 「本当にありがたいです」 そんな感謝の言葉が多く聞かれました。 なかでも ある避難所のなかにいた中学1年生くらいの女の子が 「今までどれだけしあわせだったか、はじめて気がつきました」 と話していたことが、私の脳裏から離れませんでした。 ひるがえって、大震災を経験しない私は 日々の温かいご飯やお味噌汁に「ああ、ありがたい」と深い感謝でいただいているだろうか。 大きなおかげを感じているだろうか。 あたりまえの日々が「感謝」を遠ざけていないだろうか。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 28, 202309:25
「ある日の護摩焚き」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「ある日の護摩焚き」エッセイ「田舎坊主の合掌」

数年前、腸腰筋膿瘍から化膿性脊椎炎になり入院しました。 腰の骨が溶けるという病気で、ただただ痛い病気でした。 私が退院して4年後、この病気を見つけてくれた先生が自坊不動寺に来てくれました。 先生は「9年間ガンを患っていた妻が亡くなりました。森田さんに色々教えてほしいと思って来ました」 私は驚きとともに熱いものが込み上げてきました。 私の入院時、私のことはもちろん救急入院した妻のことも親身になって相談にのって寄り添ってくださいました。 この先生のことは「田舎坊主の七転八倒」という私の本に書かせていただきました。 先生自身がつらい思いをされていたからこそ、真に患者に寄り添える素晴らしい先生なのです。 この日はお不動さまのご縁日28日、不動寺の護摩焚きの日です。 心を込めて護摩を焚き、先生の奥さまの初月忌が平安であることを祈願しました。 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 27, 202305:59
「利用者のためにがんばりたい」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「利用者のためにがんばりたい」エッセイ「田舎坊主の合掌」

私は1989年和歌山県難病団体連絡協議会を立ち上げました。 11年後の2000年には仲間の努力で難病・中途障がい者の作業者が開所しました。 その立ち上げメンバーの一人の女性が47才という若さで旅立ちました。 彼女からは、仕事のこと仲間のこと自分の病気のことなどいろんな相談を受けました。 そのたびに彼女は「利用者のためにがんばりたい」と話していました。 最後のやりとりとなったメールにはー 「入院しました。今度は元気になるために・・・。いろいろほんとうにお世話になりました。失ってから見つけるものは大きいですね。支えてくれる愛に感謝します。ありがとうございました」と書かれていました。 私は「大事にしてね」とだけ返信しました。 しばらくして訃報が届き、お通夜に参列しました。 棺の中の彼女の額に手を当て私は「はやいよ」とつぶやきました。 難病患者や中途障がい者のためにとがんばっていた彼女自身がつらい難病で若くして旅立ったのです。 つらいつらい別れとなりました 合掌 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 26, 202307:03
「人生マンダラ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「人生マンダラ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

栄華を極めた社長さんが網膜色素変性症という病気になり、 会社も家族も失いうつ病となりました。 その後、資格を取ってマッサージ師となりました。 今の生きがいは?と聴くと、「喜んでくれる声が生きがいです」と答えてくれました。 またー 働き盛りのご主人がベーチェット病となり、片目眼球摘出手術をし自暴自棄になったこともあります。 奥さまは三人の幼い子どもを必死に育てていました。 お母さんを助けて頑張るといっていた長男がクローン病となり、一生食べることを楽しめない病気になりました。 でもー 長女は「難病患者の役に立ちたい」と看護師に進み クローン病の長男は、同病の患者会を立ち上げてリーダーとして頑張っています。 「マンダラ」は宇宙を表し、すべてに価値がることを教えています。 宇宙を含む花「マンダラゲ」には花は美しいけれどトゲも毒もあります。 その毒の「アトロピン」という成分は重症筋無力症の初期の特効薬だったのです。 この毒成分を利用して華岡青洲が全身麻酔薬「通仙散」を完成しました。 人生に病気は不要かもしれませんが、 難病患者・家族からは、当事者に寄り添う志の高い医師や看護師、患者会リーダーが生まれています。 世の中、美しい人・賢い人・健康な人ばかりでは成り立たないのです。 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 24, 202309:49
「ガンジスに還る」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「ガンジスに還る」エッセイ「田舎坊主の合掌」

2016年のインド映画「ガンジスに還る」と「彼岸」こと 死期が近いと悟った父親が「解脱の家」(死を待つ人が暮らす木賃宿のようなところ)に行くと言い出す。 仕事一途の息子がその父親に死ぬまで付き添うという話しです。 「此の岸」は苦しみの世界。 ガンジスに身を浸し、安寧の「彼の岸」を願う日々。。。 しょせん彼の岸は死後の世界。。。 インドのお釈迦さまは、 「彼の岸は向こう側にあるのではなく、こちらの岸につくるやすらぎの世界なのですよ」 と説き、こちらの岸をやすらぎにするには「中道」という、 とらわれや偏りのない行いこそが大事なのですよと教えてくれているのです。 そのキーワードは「他を思う」こと。 「我利我利より忘己利他」が大切ですよ。 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 22, 202308:06
「東京の残飯屋」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「東京の残飯屋」エッセイ「田舎坊主の合掌」

東京で食品廃棄物の運搬業をしていた父親が急死し 若いころからヤンチャをしていた息子が後を継ぐことになりました。 父親は自分お仕事を「残飯屋」と言っていました。 ある意味、仕方なく継いだ仕事の中で あるトンカツ屋さんの閉店時間に若い三人の女性を出くわします。 一人の女性は「くさいっ!」 ほかの女性たちも「せっかく美味しいのをいただいてきたのに、何よっ」と若者を責めます。 でもー 女性たちが美味しいトンカツを食べて幸せになったのは、 この臭いものを運ぶ俺がいるから良質の豚肉が提供できているんだ。 せめて「大変ですね」とでも言ってくれれば、 今度はあなたたちが俺を幸せにするんだよ。。。 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 20, 202307:05
「人の最期に関わるお仕事」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「人の最期に関わるお仕事」エッセイ「田舎坊主の合掌」

FMはしもとの「ラジオ寺子屋 高野山」というインタビュー番組に出演し 放送されたのを聴かれた方からいただいたメッセージです。 体調を崩され離職されていたのですが、放送を聴いて あらためて仕事に復帰されることを決断された方のお話です。 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 19, 202306:17
「成人式所感」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「成人式所感」エッセイ「田舎坊主の合掌」

成人式、かつては「元服」「裳着」 新成人の「大人の自覚」とは? 支えられて生きてきたことの自覚 これからは誰かを支えていく生き方をする 「人」は支える人と支えられる人でできた文字 「他」は「人と也」 「我利」から「利他」へが大切 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 18, 202305:16
「あなたこそ幸せになってほしい」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「あなたこそ幸せになってほしい」エッセイ「田舎坊主の合掌」

保育士になるために保育教育科に進学した彼女 そこの授業で出てきた「虐待」の文字 それは自分が体験したことそのものでした 結局、保育士になることをあきらめた彼女ー 将来自分がしてしまうかもしれない虐待が怖くて 結婚もあきらめました。 優しい祖母の自殺、父親からの強姦未遂ー つらいことが多すぎる彼女こそ幸せになってほしい・・・ 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 17, 202303:56
「愛犬ヒロタのこと」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「愛犬ヒロタのこと」エッセイ「田舎坊主の合掌」

35年前「一度、人を噛んだ犬はまた噛む」そう思っていた私は、 愛犬ヒロタを高野山に連れて行き放しました 現在では絶対に許されません 三年後高野山でヒロタと再会し、連れ帰りました 数年後老犬となったヒロタは、私に寄り添うようにして息を引き取りました 「ここで飼ってくれてありがとう」と言ってるように・・・ 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺 不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 16, 202306:12
「二月堂・三月堂・四月堂へおまいり」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「二月堂・三月堂・四月堂へおまいり」エッセイ「田舎坊主の合掌」

NHKスペシャルで放送された「疫病退散千三百年の祈り~お水取り・東大寺修二会」を観て 東大寺へ参拝 疫病退散と大仏さま 二月堂の大竹の炎の乱舞だけではない「祈り」 それがお水取りなんですね 和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺  不動坊 良恒 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 15, 202304:48
「焼いたらアカン」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「焼いたらアカン」エッセイ「田舎坊主の合掌」

友人の父親の葬儀火葬場でのこと 10年後、その友人の母親の葬儀火葬場でのこと 友人の娘さんは少女から母親に成長していた でもどちらの火葬場でも その娘さんは「焼いたらアカン」と泣き崩れたのです こんな優しい娘さん、手本となるような生き方をした老両親 そんな家族に囲まれていた友人こそ、ほんとうの幸せ者 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 14, 202304:19
「仏さまの胎内納入物から見えるもの」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「仏さまの胎内納入物から見えるもの」エッセイ「田舎坊主の合掌」

ある年の初不動大祭での法話 胎内納入物のある三ヶ寺 ・奈良の般若寺 ・京都の嵯峨釈迦堂清涼寺 ・湖南三山の一つ善水寺 胎内納入物が持つ意味 「胎」「始」「台所」「尊台」「貴台」が表す意味 大仏さまなどの胎内巡りは「母親の胎内に還ること」「命に感謝すること」 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 13, 202313:13
「布施と寄り添い」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「布施と寄り添い」エッセイ「田舎坊主の合掌」

マザーテレサに会いたい 無財の七施と祈り ・「眼施」「和顔施」「言辞施」「身施」「心施」「座施」「舎施」 ・「祈り」 寄り添うこととは・・・ 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 12, 202307:32
「ひつじ年にあたり」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「ひつじ年にあたり」エッセイ「田舎坊主の合掌」

ひつじ年に書いたエッセイ 「ひつじ年にあたり」 「羊羹」の文字が現す感謝の心 養う・祥・美しい・善・鮮やか・義。。。 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 11, 202304:21
「病院関係団体での講演」主旨・エッセイ「田舎坊主の合掌」

「病院関係団体での講演」主旨・エッセイ「田舎坊主の合掌」

ある病院関係団体での講演主旨です 医師は自分が発する言葉から治療が始まっていることを知るべきです 医師自らが当事者である場合、その言葉は真に患者に寄り添った言葉となります 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 10, 202303:32
「ある老僧の言葉」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「ある老僧の言葉」エッセイ「田舎坊主の合掌」

小坊主のころ、ある老僧から教わった言葉です。 「髪を剃って、心を剃らず」 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は 昨年12月28日から ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 09, 202305:00
「まえがき」と「ササユリ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

「まえがき」と「ササユリ」エッセイ「田舎坊主の合掌」

初薬師の1月8日から、少しずつ読んでいきます。 今回は合掌することの意味と置かれた場所で生きることを「まえがき」とエッセイ「ササユリ」に書きました。 田舎坊主シリーズ第六弾 「田舎坊主の合掌」 各ネット書店、全国の主要書店で発売中です。 https://amzn.to/3BTVafF 電子書籍版は 昨年12月28日から ・アマゾン(Amazon Kindleストア) ・ラクテン(楽天Kobo電子書籍ストア) にて販売されています 日々感じる手をあわすことの大切さ 見逃しがちな感謝の心 50余のエッセイが気づかせてくれるかもしれません
Jan 08, 202306:19