
Yasuhiro Yotsumoto presents 'Poetry Talks'
By yasuhiro yotsumoto

Yasuhiro Yotsumoto presents 'Poetry Talks'Jul 27, 2020

Poetry Talks #33 Live @ひかりのうま: イランの詩を読む
今回は、イラン文学研究者の中村菜穂さんをメインゲストにお迎えして、イランの詩について。お話を伺いました。
中村さんは、昨年『イラン立憲革命期の詩人たち : 詩的言語の命運』(左右社)を出版されました。この本を読むと、イランの近代詩の成り立ちが見えてくると同時に、日本の詩の歴史についても新鮮な視座を与えられます。また、中村さんは2012年に『古鏡の沈黙ーー立憲革命期のあるムスリム女性の叫び』(未知谷)を翻訳されています。著者である詩人ジャーレは、イランの文学史上、はじめて女性の個人的な感情を詠ったものと言われ、女性のスカーフ着用に端を発する最近のイランでの全国的な抗議活動を考える上でも、大変興味深い詩集です。
パート1(最初の約40分)では、この2冊を中心に、中村さんにイランの近代詩について伺います。
パート2 (次の約30分)では、ソフラーブ・セペフリー(1928-1980)を中心とするイランの現代詩について。
パート3(最後の50分)は、イランの詩と日本の詩の朗読競演です。どちらも女性の髪に材をとった詩を選んでいます。バックに流れる演奏はSofabed。詩の朗読に合わせて、舞踏ユニット「遊舞舎」が舞台で舞うという贅沢なひとときでした。
どうぞお楽しみください。

Poetry Talks #34: 飯島耕一 詩集『アメリカ』を読む
「ひとつの詩を6時間かけて読み抜いてみたら、どこかへ出られるんじゃないか?」
と口走ったケイの一言から生まれた企画。ホシ、ネジ、ケイ、ヤスの四人が一篇の詩について力尽き果てるまで語り合います。
第一回は飯島耕一の長編連作詩集『アメリカ』
武器の谷のアメリカ
悲しいアメリカ
それは私だ
結局6時間以上話しても、まだ話しは尽きませんでした。そのほんの一部を以下の5部構成で紹介しています。
Part 1 誰にでも書けるシステムとしての〈アメリカ〉(最初の約50分)
Part 2 註が邪魔? (次の約35分)
Part 3 骨折男と厚紙人間たち (次の約50分)
Part 4 半分アメリカ語と化した日本語(飯島耕一)と蔓延する日本語ウィルス(谷川俊太郎) (次の45分)
Part 5 現代日本語に叙事詩が書けるか? (最後の45分)
どうぞごゆっくりお楽しみください。

Poetry Talks #23 八上桐子と時里二郎、「めくる、めく」を読む

Vol 22 季村敏夫、矢向季子の「地下鉄の印象」を読む
今回のゲストは詩人の季村敏夫さん。梅田ー心斎橋に日本初の公営地下鉄が開通した1930年代前半、15篇だけの詩を遺して忽然と消え去った詩人・矢向季子。今ではその名前の読み方すら定かではないものの、季村さんの地を這うような緻密な調査を通して、彼女と、「神戸詩人事件」に巻き込まれ、国家権力によって弾圧された若きモダニスト詩人たちの姿が、息を呑むような鮮やかさで浮かびあがります。その絵図のなんと現在に似通っていることか!もうひとつの目玉は季村さんの朗読です。聴衆から思わず「投げ銭をしたい!」の声が上がったほどの迫力。どうぞお楽しみください。

Poetry Talks #21 柏木麻里と連東孝子、『蝶』を読む
今回のゲストは柏木麻里さんと連東孝子さん。詩人と翻訳者の、もっとも理想的で幸福な協働関係を垣間見ることができました。太平洋を挟んでふたりが育てた『蝶』が、日本語と英語の美しい翅を広げて舞う様をお楽しみください。

Vol. 20 さとう三千魚、山崎方代を読む
12月20日収録のPoetry Talksは、詩人のさとう三千魚さんをゲストにお迎えして、放浪歌人山崎方代の短歌と、その短歌に合わせて綴った最新詩集『山崎方代に捧げる歌』を読んでいただきました。方代の歌を読み込んでゆくと、さとうさんの詩の世界が開け、さとうさんの詩を読んでいると、ひとりの「百姓の男」が見ていた、平い海が広がって来るようでした。

V0l 19. 八上桐子、山崎佳代子の「恋唄」を読む
今回ゲストは現代川柳作家の八上桐子さん。八上さんが選んだのは、ベオグラード在住の詩人・山崎佳代子さんの「恋唄」。多国籍アンソロジー詩集『地球にステイ!』に収録された作品で、奇遇にも八上さんの寄稿した作品と隣り合わせです。番組には山崎さんも参加してくださって、実作者を交えた中身の濃い、刺激的な話となりました。さらに八上さんの現代川柳(『Hibi』より)と、山崎さんの「恋唄」、そして山崎さんの最新詩集『海にいったらいい』を繋ぐ、意外な共通項についても新鮮な発見が。生と性と聖と死を、詩で往還する二人の詩人の対話をお楽しみください。

Vol. 18 インカレ・ポエトリー、オンラインで連詩を巻く
インカレ・ポエトリーとは、いろんな大学で詩を学ぶ学生たちが、大学の枠を超えて詩を持ち寄り、自主的に作っている詩の雑誌なんだそうです。そんな彼らがオンラインで連詩を巻きました。四日間、昼夜と問わず繰り広げられた言葉の宴の成果を、参加者のうち6人に披露してもらいます。教室で彼らに詩を教え、「インカレ・ポエトリー」の出版もサポートしている伊藤比呂美さん、新井高子さん、朝吹亮二さんも駆けつけてくださいました。若い人たちのエネルギー、なんていう次元の話じゃないんです。詩のレベルがすごく高くて、もうタジタジなんです。どうぞお楽しみください。

Poetry Talks #17、アレッサンドロ・クレメンティ、日本の現代詩を(イタリア語で)読む
11月22日収録のPoetry Talksは、ゲストに東京在住の日本文学翻訳者アレッサンドロ・クレメンティさんをお招きして、今年五月イタリアのEinaudi社から出版された日本の現代詩アンソロジー『Poeti Giapponesi』をご紹介いただきます。さらに、そのアンソロジーに作品が収載されている野村喜和夫さんと小池昌代さんにもご参加いただき、イタリア語と日本語でのバイリンガル朗読も。イタリアで日本の自由詩がまとまった形で紹介されるのは初めてとのこと、その画期的な果実をお楽しみください。

Poetry Talks #16 (みんなで)『地球にステイ!』を読む
今回は九月末に出版された多国籍アンソロジー(コロナ)詩集『地球にステイ!』特集。
当初は版元 Cuonの金承福さんと、韓国文学翻訳者の吉川凪さんと僕の三人でそれぞれお気に入りの詩を読んでいこうという計画でしたが、Zoom meetingが始まってみると、このアンソロジーに作品を寄せてくださった詩人や翻訳者の方々のお顔が!これ幸いと、それぞれの作品を朗読していただきました。日本語に加え、韓国語、スペイン語、セルビア語での朗読もあり、原作の雰囲気や翻訳の舞台裏も味わえます。どうぞお楽しみください。

Poetry Talks #15 Janine Beichman、与謝野晶子と大岡信を読む
今回のゲストは日本文学研究者にして翻訳者のジャニーン・バイチマンさん、現在なお進行中の与謝野晶子の短歌の英訳、そして2018年に26年ぶりに改訂版が出版された大岡信英訳詩集Beneath the Sleepless Tossing of the Planets: Selected Poemsから、All about the Wind (原題・風の説)を読んでいただきました。ご参考までに、晶子の短歌の英訳と原文のテキストを添えておきます。また大岡さんの「風の説」は、大岡さんが亡くなった2017年の暮れ、追悼の意をこめて17カ国の詩人たちがそれぞれの母語に翻訳し、Poetry International Web誌上で発表されましたが、その作業のベースとなったのもジャニーンさんの英訳All About the Windでした。今回はその時韓国語の翻訳を担当してくださった吉川凪さんにもお越しいただいて、韓国語の朗読をしていただきました。末尾に関連サイトへのリンクをつけておきましたので、そのほかの言語での翻訳や、このプロジェクトの裏話エッセイなどもお楽しみください。
1.与謝野晶子の短歌二首(いずれも歌集『佐保姫』より)
#404
Here will be
the harbor
for my boat,
I decided,
and let down
the anchor,
then rolled up
the crimson sail
この船の 泊(とまり)さだめて 錨して われは真紅の 帆をおろしける
#407
Today I take my place
among women,
daughter
of those who
from ancient ages
have stumbled,
believing they are powerless
古(いにしえ)ゆ ちからなしとし あやまちし 少女の末に 今日われを置く
2 大岡信「風の説」多言語翻訳プロジェクト
https://www.poetryinternational.org/pi/cou_article/28937/All-about-the-Wind-in-the-Tower-of-Babel/nl/tile
3 Janine Beichman訳による大岡信専詩集 Beneath the Sleepless Tossing of the Planets: Selected Poems 書評
https://www.poetryinternational.org/pi/article/29581/Review-Makoto-Ooka-in-English-updated/nl/tile

Poetry Talks Vol. 14 細見和之、北村太郎の「ピアノ線の夢」を読む
今回のゲストは詩人で社会思想学者、京都大学教授にして大阪文学学校の校長先生、さらには丹波篠山地方で活動中の人気音楽バンド「theちゃんぽらぱんバンド」のメンバー、そして夫にして二児の父である細見和之さんです。僕にとっては詩の雑誌「びーぐる」の編集仲間ですね。彼が読んでくれるのは荒地派の詩人、北村太郎の「ピアノ線の夢」。世代を隔てたふたりの詩人には共通点と相違点がどちらも際立って思えます。そのあたりのことも細見さんにぶつけてみました。どうぞお聞きください。

Poetry Talks Vol 13. 三角みづ紀、斉藤倫「その名」を読む
夏過ぎて、友よ、秋とはなりました(中也)。Poetry Talks、秋季第一回目のゲストは詩人の三角みづ紀さんです。選んでくださったのは斉藤倫さんの「その名」という詩。果たしてこの詩、無意識の流れに身を託して書かれたのか、それとも明確なコンセプトに基づいて構成されたのか、話しているうちにみづ紀さん自身の詩の書き方が見えてきました。締めくくりは最新詩集『どこにでもあるケーキ』からの自作朗読。ここでも意外な舞台裏が明らかに…。今回はトークが終わったあとの質疑応答も一部収録してあります。どうぞお楽しみに。

大崎清夏、『ホモサピエンス詩集』を読む
このシリーズの初回を飾ってくださった詩人の大崎清夏さんを、ふたたびゲストにお迎えしました。今回は僕が今年春に出した海外現代詩アンソロジー『ホモサピエンス詩集』から、中国の詩人西川(Xi Chuan)の「蚊に関する覚書」を読んでいただきました。人間に叩き殺されて当然という儚き存在に託された非人間のまなざしを、Noisy Animalを自称する大崎さんが丁寧に辿ってゆきます。締めくくりは大崎さんの新作の詩「香港料理店」です。どうぞお聞きください。

連東孝子、W.S.マーウィンと共訳した蕪村を読む
Poetry Talks第11回目のゲストは、アメリカ東海岸にお住いの翻訳家の連東孝子さん。これまでに多くの日本の詩を英訳されてきた連東さんは、米国を代表する現代詩人W.S.マーウィンとタッグを組んで、与謝蕪村の『蕪村句集』を全訳されています。ドナルド・キーン先生に「現在まで発表された俳句の英訳として最高である」と評された Collected Haiku of Yosa Buson のなかから、選りすぐりの十句を翻訳のプロセスも含めてご紹介いただきます。

森山恵、源氏物語の重層性を読む
Poetry Talks第10回目のゲストは詩人の森山恵さん。そう、今から百年前にアーサー・ウェイリーが英語に訳した『The Tale of Genji』全六巻を日本語に「らせん訳」して大きな話題と反響を呼んだ、あの森山さんです。『源氏物語』に登場する795首の和歌から幾つかを選びだし、ウェイリーがそれをどう訳したのか、シェイクスピアやワーズワースも巻き込みながらお話いただきました。千年の時と洋の東西、ふたつの言語の間に響く重層的な詩の歌声をお聞きください。

新井高子、デトロイトの現在を読む
7月27日に収録したPoetry Talks第九回目は、詩人の新井高子さんによるデトロイト・ポエトリー・レポート。現地の写真とともに、この街で暮らすふたりの詩人、Arzelia WilliamsとDamon Hoganの詩を紹介してくださいました。ふたりともまだ学生だそうです。荒廃した街の風景とは裏腹に、生存を賭けた創造的なエネルギーが伝わってきます。彼らの詩のオリジナルテキストは下記のリンクから。
https://www.freep.com/story/opinion/contributors/2016/09/03/detroit-citywide-poets-poetry/89784886/
そしてこちらは、新井高子さんの撮影によるスライドショーの画像です。録音に合わせてごらんください。
https://s.mypocket.ntt.com/FyCByo

森山至貴、現代詩を歌にする
Poetry Talks 第8回目(7月19日収録)のゲストは、作曲家にして社会学者の森山至貴さん。これまで数々の現代詩を合唱曲に仕立ててきた森山さんの最新作は、オンライン会議システム上で(多重録音ではなく、実際に声を合わせて)作り上げたリモート合唱「うたのなか」。リモート(離れ離れ)に声を合わせるという逆説を孕んだ新しい歌の形について、社会学者としての視点も重ねながら話してくださいました。下記のリンクもご参照ください。
リモート合唱「うたのなか」
https://www.youtube.com/watch?v=6et6_YLgf18
メイキング オブ リモート合唱のための「うたのなか」音声比較

田中庸介、エズラ・パウンドの The Encounter を読む
Poetry Talks vol. 7は詩人にして細胞生物学者の田中庸介さんが、20世紀アメリカ詩の巨星、エズラ・パウンドの五行詩 The Encounter を読んでくださいます。ペンシルバニア大学の詩の講座プログラムの一環として田中さんが書かれた論文 How can the new morality be wrapped up by Japanese paper napkin? – a close reading of The Encounter に即した、緻密にして深い読みで、たった五行に込められた広大なパウンドワールドが拓けてゆきます。極めつけはイェイツの作品との関連を指摘した文学史的な「発見」!どうぞお楽しみください。

ザ・日経プロムナード・スペシャル 第三弾 「詩と散文から浮かび上がる〈私のヨーロッパ〉」

Poetry Talks Vol 6. 三宅勇介、海外のハイク・タンカを読む
今回(6月28日)は、歌人の三宅勇介さんをゲストにお招きしましたが、その三宅さんがさらにトルコとルーマニアからひとりずつゲストを連れてきてくれました。イスタンブールのゴクチェナー・セレビオウグルさんと、黒海のほとりの古都コンスタンツに住むダニエラ・ヴァーヴァラさんが、自作の俳句や短歌を(それぞれの母国語で)朗読し、その日本語訳を三宅さんが自由律版と定型版のふたつで読んでくださいます。最後に三宅さんが自作を自由詩、俳句、短歌のみっつの様式で朗読。異なる土地と言葉と詩的ジャンルが交差し、響きあう、重層的なひと時でした。

佐藤弓生、前川佐美雄のモダニズム短歌を読む
6月21日に収録したPoetry Talks、今回は歌人の佐藤弓生さんをゲストにお招きし、モダニズム歌人前川佐美雄の短歌を読んでいただきました。1930年、佐美雄27歳の年に出版された衝撃的な第一歌集『植物祭』五百数十首のなかから、佐藤さんがえりすぐった十二首の「プレイリスト」と、1941年に出版された歌集『白鳳』から「道」の全七首。八十年以上前に書かれた作品でありんがら、なんて新しいんだろうと仰け反ると同時に、『植物祭』を満たす無垢な明るさから、「道」の追い詰められた鬱屈への急激な変化に胸を突かれました。締めくくりは佐藤弓生自作朗読。フェミニズムと短歌の稀有な融合をお楽しみください。

カニエ・ナハ、立原道造の「石柱の歌」を読む
6月14日のPoetry Talks、この日のゲストは詩人にして本の装丁も多数手がけているカニエ・ナハさん。彼が選んだのは詩人にして建築家でもあった立原道造の「石柱の歌」。道造といえばソネットですが、この作品は14行を大きく逸脱していて、そのはみ出た部分に彼の私性が滲み出ているとカニエさんは言います。そのカニエさんが読んでくれた自作は、一行がとめどもなく長くて散文詩のようですが、実はソネット形式の組詩。建築、彫刻、そして歴史をめぐって二つの作品が響きあってゆく、スリリングなひと時でした。

ザ・日経プロムナード・スペシャル 第二弾 「詩と散文から浮かび上がる〈私のヨーロッパ〉」
日経新聞「プロムナード」欄に連載中のヨーロッパ体験をテーマとしたエッセイと、並行して同じテーマに沿って書き継がれた詩を組み合わせてお届けする特別プログラム、その第二回目です。前回同様日経文化部の桂星子記者(通称ホシ)とふたりでお届けします。今回は二月に発表したエッセイ「橋の袂の帝国」と「泣く女」を中心に編んでみました。どうぞお楽しみください。

上野敦、『ホモサピエンス詩集』を読む
今回のゲストは共同通信記者の上野敦さんです。先日、上野さんは僕が編んだ海外現代詩アンソロジー『ホモサピエンス詩集』の紹介記事を書いてくださいました。その上野さんに、この詩集でもっとも気になった詩3篇を選んでいただきました。それを僕が朗読し、ふたりでその詩や詩人について話し合うという趣向です。ただ例によって、途中で僕の通信状態が悪くなり、聞き苦しいところがあります(特に2番目の詩を読んだあとのディスカッションのあたり)。それを聴いていただくのは心苦しいのですが、その前後はとても楽しい対話になったので、思い切って公開することにしました。どうぞよろしくご了承のほどを!2020年5月26日収録分です。

吉川凪と金承福、呉圭原詩選集『私の頭の中まで入ってきた泥棒』を読む
Poetry talks (詩は語る)シリーズ第二回は、日本における韓国文学ブームの牽引役、吉川凪さん(研究・翻訳)と金承福さん(出版)をお招きし、現代韓国の代表的な詩人・呉圭原の作品を読んでいきます。録音は、吉川さんが呉圭原について語り始めるところから始まっていますが、その前におふたりの経歴を以下のように紹介していました。
吉川凪 大阪生まれ。仁荷(イナ)大学国文科大学院に留学して韓国近代文学を専攻。文学博士。著書に『朝鮮最初のモダニスト・チョンジヨン』、『京城(ケイジョウ)のダダ、東京のダダ コハニョンと仲間たち』、訳書に『シンギョンニム詩選集 ラクダに乗って』、谷川俊太郎・シンギョンニム『酔うために飲むのではないからマッコリはゆっくりと味わう』。チョン・ソヨン『となりのヨンヒさん』、崔仁勲[チェ イヌン]『広場』、パク・キョンニ大河小説『土地』、キムヨンハ『殺人者の記憶法』で第4回日本翻訳大賞受賞。
金承福(キム・スンボク) 韓国・全羅南道(チョルラド)霊光(ヨングァン)の出身。ソウル芸術大学で現代詩を専攻。留学生として1991年に来日し、日本大学芸術学部に入学。卒業後、広告代理店勤務を経て、2007年に出版社クオンを東京に設立。2015年、東京神田神保町にブックカフェ「チェッコリ」をオープン。日本で韓国の書籍の拡充を図るK-Book振興会の専務理事。
ちなみに今回取り上げた詩集は、スンボクさんの出版社クオンから、「CUON韓国文学の名作」シリーズの一つとして刊行されています。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1554
どうぞお楽しみください。

大崎清夏、パトリシア・ロックウッドの「ネッシーは自分でそうしているところを見たい」を読む
2019年6月ロッテルダム国際詩祭。日本の詩人大崎清夏がアメリカの詩人パトリシア・ロックウッドと出会いました。ふたりは同い年。今年春、大崎清夏はパトリシアの詩二篇を翻訳し、詩の雑誌「びーぐる」47号に発表しました。このエピソードでは、大崎さんにそのうちの一篇「ネッシーは自分でそうしているところを見たい」を朗読していただき、じっくり読み解いてゆきます。締めくくりは大崎さんの最新詩「必要な店」(そう、コロナ禍の営業自粛のさなかで書かれた作品です)の自作朗読です。
ズームによる公開イベントを朗読したため、4分経過時点と9分経過時点でそれぞれ数秒間音声が途切れていますが、いずれもすぐに復旧して最後まで51分間続いています。途中音声が乱れるところもありますが、どうかご容赦のほどを。ちなみに最初に途切れたところで、大崎さんが紹介しているパトリシアの経歴は以下のようなものです:
パトリシア・ロックウッド Patricia Lockwood
1982年米インディアナ州生まれ、オハイオ州育ち。カトリック・スクールを卒業後、大学には行かず執筆に専念する。独特で鋭いユーモアのセンス、現代を風刺する類い稀な言葉遊びで高く評価され、「ニューヨーカー」などの由緒ある文芸誌で作品を発表。2013年、個人的な経験に基づいて書かれた長篇散文詩「Rape Joke」がオンラインマガジンThe Awlに掲載されると瞬く間にSNS上で注目を集め、FacebookやTwitterで拡散された。翌2014年、詩集「Motherland Fatherland Homelandsexuals」をペンギンブックスから出版。海軍兵からカトリック教会の牧師に転身した父についての伝記「Priestdaddy」(2017)はニューヨーク・タイムズの10 best books of 2017に選出された。2019年以降、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスの委託編集者を務める
それではお楽しみください。
四元康祐

ザ・日経プロムナードスペシャル:詩と散文から浮かび上がる「私のヨーロッパ」
現在(2020年1月から6月まで)日本経済新聞の「プロムナード」欄に連載しているエッセイと、それに共通する主題を扱った詩を組み合わせて、26年に及ぶ僕のヨーロッパ体験を探ってゆきます。